2011/03/17

あっと言う間の1週間

 ~衝撃は覚め遣らず~
 毎週木曜日は小生夫婦の定例鍼診療日。
 特別のことがない限り、もう10年以上も続けている日課の1つである。年度末の予約をしていなかったので、先週の診療を終えてから改めて今日(17日)と来週の診療を予約した。その時、診療師に向かっていつものように冗談混じりに、「この歳になると明日のことも分かりませんが、来週はよろしくお願いします」と言った。その「明日」、つまり3月11日が東北関東大震災となってしまったのだから複雑な心境にも陥ってしまう。
 気象台観測史上の記録と発表された「マグニチュード8.8」と言う地震の規模を示す数値だけでも得体の知れない怖さを感じた。その直後からは、テレビ画面に映し出される「津波の正体」に全身から血の気が引いていく悪寒を感じた。時間を経て震度の修正が行われ愕然として脱力感までが襲ってきた。時間を経る毎に、画面から「現状の惨さ」が伝わってくる。テレビ嫌いと自称する小生でさえもスイッチを切る勇気が出なかった。一夜明けると、更に追い打ちを掛けるような新聞記事と画面の実況中継が終日続いた。その間の余震は断続的に神奈川県に住む家にも襲ってきた。立ち歩きながら常に全身が揺れている症状である。
 そして、もうあの日から1週間が経ってしまった。
 昨今は、地震・津波が引き起こした二次災害の話題が茶の間を汚濁している。首都圏ばかりではないらしい。震源地から遠く離れた都市周辺でも「買い溜め」という現象が起こっているらしい。「万」という単位で犠牲者が出ているというのに、地震の揺れも感じない地域で生活日常品までが品切れしていると言うではないか。言語道断!阪神淡路の震災でも学んだ筈の互助精神は20年間の歳月が流れれば消滅してしまったのだろうか。心が痛む。
 被災地の無惨さを興味半分で見詰めてはならない。そこに「我が身」を置いてみたらどうなるのか?皮肉なことに、被災地は今朝は真冬日だと言うではないか。暖もたっぷり取り温かいスープで朝食を済ませる事が出来る幸せを「家庭の言葉」に切り替えよう。親の一言、・・・。つまり「避難所の人たちは寒いだろうね。大変だろうけど頑張って欲しいね」と、オトナから子供達に積極的に声かけをして欲しい。学校の給食もそろそろ終わる時期だろうが、一緒に食事をする時間があったら、そんな時こそテレビ画面を見せて「たったおにぎり1個しか無いんだってよ。可哀想だね。でも頑張って欲しいね」と、教師なら語りかけても可笑しくない。
 この震災からも多くのことを学んだ。
 その一つが「計画停電」である。ホンの僅かな時間ですら気温の低さに耐え難さを感じるほどの軟弱な身体になっている自身に気付いた。時間限定の停電ではないか!自分に言い聞かせながらも寒さに震え上がってしまう。何かの支援をしたいと考えてはいる。せめて出来ることは、「数時間の停電に耐えることぐらい」か?我が身を奮い立たせながら、思いは画面で見た避難所の周りの雪景色だった。毛布1枚の避難所の現実。全国、いや全世界から届き始めた物資や人的援助が被災地に向かっているという。せめて、その妨害になるような行為だけは一般国民は慎むべきだと声を大にして言いたい。16日の夕食は「1本の蝋燭と」一緒に老妻と閑かに済ませました。
 おにぎり1個と毛布1枚で飢えと寒さに立ち向かっている被災者の皆さんのことを考えたら、買い溜めをするような哀しい考え方だけは控えましょう。

 こんなジレンマでブログに向かう気力もありませんでした。決して体調不良など起こした訳ではありませんのでご安心下さい。沢山の手紙やメール、そして電話を頂戴しまして恐縮しています。明日から、要請(講演)のために遠隔地に出向きます。気合いを入れて「自分が今出来ること」を懸命に果たさなければ避難所で頑張っている皆さんに申し訳ありませんから・・・ね。ご心配かけました!

0 件のコメント:

コメントを投稿

自己紹介

自分の写真
1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

フォロワー