2012/05/10

10年間の購読

~「踏ん切り」の好機がやってきた~
 これは連休中の話である。
 孫を送り届ける車中であった。5年生の孫娘が後部シートから祖父ちゃん運転手に声を掛けた。祖父ちゃんは孫が生まれると月極めの絵本を贈り始める。絵本専門店の配本サービスを利用して、当時の茅ヶ崎から千葉と茨城の孫たちに『ほん』を送り続けてもう10年になるだろう。双方の地に5年生になる(男女の)孫がいるので、取扱いのホンの傾向を考えて祖父ちゃんは送り続けた。支払いは全て指定口座振込である。
 5年生にもなったのでそろそろ変更しなければ!と考えていたことは事実である。それぞれの家には下の孫たちもいるので大枠では満足していることも承知していたことも事実であった。3人が読み込んだ絵本は修復不能の状態である事も知っていた。
 「お祖父ちゃん、私ね、お祖父ちゃんが送ってくれる本も好きだけど自分で読みたい本が色々あるのね」と切り出した。祖父ちゃんは『渡りに船』とばかりに、「送っている本を中止しようか」と言葉を返した。すると、後部シートの隣に座っている新入学児の孫息子が、「お姉ちゃんに送ってくれた本は、オレ、あんまり好きじゃない」と口を挟んできた。つまり、女児向けを本選定の基準にしてあったので怪獣の本やバトルする内容の絵本は皆無に等しかったからである。二人との対話を「良い潮時」とばかりに運転しながら返答した。「一旦、今のシリーズは止めにしよう」と切り出してみた。途端に「読みたい本」が二人の口から次から次へと飛び出した。
 孫の家に着いた。
 母親である長女にその内容を告げると、もう2年ぐらい前から孫娘から要望があったとの事実が告げられて遅きに失した不手際を詫びつつ今後の希望を聴くことにして、帰路の車中の爺婆の話題は読書のことになった。
 帰宅して、同居の孫息子(5年生)にも現状を訊くとほぼ同様であった。早速2社に「配送中止の申請」手続きをメールで済ませた。連休中であったので即答のメール返信がなかったが昨日、両社とも確認の電話をもらった。10年間も購読したことに対して丁寧にお礼を言われ、気持ちのいい終止符となった。
 今後は、「好きな本」を祖父ちゃんに購入依頼をすることで一件落着である。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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