2012/05/21

歩禅記(59)

 ~生垣のバラの花~
 久しぶりに田園地帯の独り歩禅をする。
 田んぼもすっかり夏模様になっていた。水面にホンのちょっとだけ黄緑色の稲の苗が顔を出せるほどたっぷりと水を戴いた水田からはカエルの鳴き声も聞こえた。秋の収穫までの田園風景の様変わりはこの歩禅記でお知らせすることをしましょうかねぇ~。
 田園風景がお気に入りの小生は、望郷の思いからである。
 田んぼの中で育った少年は、夏の誘蛾灯に集まる虫の多さと蚊の飛ぶ羽音に生まれ故郷に愛想を尽かしたのである。18歳の高校卒業までは忍の一字だった。都会への憧れが故郷離脱の要因では無かった。田圃しかないあの風景と農家の貧乏に別れを告げたかったのだから今となれば責められても何も応えられない。
 終の棲家と意を決して転居した長男宅である。自宅から数百メートルも歩けば少年時代を彷彿とさせる田園地帯が広がる当地に辿り着いてしまった(笑)。
 独り歩禅にご満悦な時間。それを保障しているのが田園風景であるのが笑えるではありませんか!水田を渡る風をお腹いっぱいに吸い込んで1時間の歩禅は今回も充足度100である。
 農家の生垣には色とりどりのバラの花が咲いていた。この前まで桜の花に目を奪われていたのに自然界の脅威に慄いている内に、バラからアヤメやアイリスに代わっていくのだろうか。目の保養をさせていただきながら歩禅を愉しむことにしようか。
 今日の歩数計は1万歩を超えた数字を計上している。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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