2010/01/28

昨日のできごと~公開研究会~


         ~授業づくりは学校づくり~
 
 これは関係専門誌に掲載されている小生の論文に濫用している(笑)お気に入りのフレーズである。校長経験者としての小さな経験を実践と置き換えて反省記としてまとめると、必ずこのフレーズに到達するのである。
 一般社会では会社人や企業人は、自らが所属する会社や企業の現状に大きな関心を寄せ未来の行方に一喜一憂するモノである。それを一般的には経営的視点と言う。役職ではないにも拘わらず確かにその視点を有することは、学校人(教員たる職業)とは明確な違いではないだろうか?
 経営的視点を有しない教員集団の元凶は、毎日の授業が「学校経営に通じる」という意識の薄いところである。希薄な経営的視点の裏付けは授業と学校経営が全く別世界だと考え、学校経営は校長・教頭を含む少数の「管理職」だけの任務であると勝手に「仕分け作業」をしているところではないだろうか?
 当ブログをご愛読いただいている方は多くは小生と同業者、つまり学校人であろう。自校の現状と小生の言い分とを比べていただきたい。
 昨日の茅ヶ崎市立東海岸小学校の研究発表会は、まさに全教職員が「一丸となって」授業を追究している実情を公開した昨今珍しい「手作り」の発表会であった。昨年の4月から1ヶ月に1回の定期的訪問と出前授業のために教室の中にも足を入れて一緒に授業づくりに指導助言を試みた小学校である。
 この小学校の教師集団に対する学校長の評価も高い。平成23年度から全面実施になる指導要領では5・6年生には「外国語活動」という新領域が科せられる。ともすれば、その該当学年を担当する教員への「丸投げ」状態になりがちである。しかし、この小学校では1年生から「少しずつ」外国語の世界に誘導するための授業研究が採り入れられている。全教職員が取り組むところが「学校づくり」なのであるという小生の持論からすれば、小生の仮説を見事に実証してもらっている学校と断言しても過言ではない。
 「研究実践事例集」(写真)は、1年間の実践をそのままに綴じてある。教頭先生に確認したところ、残部はあるとのこと。早めにお申し込みいただけるとお裾分けが可能のようである。ただ、老婆心ながら遠距離からのお申し込みの場合は「着払い」等の心遣いをお願いしたい。学校という機関には「サービス料」なる予算項目は無いことをご理解いただきたい。

 関わって2年目の4月からは更に拍車が掛かるだろうと大きな期待に胸が膨らんでくる。
 読者の皆さんも来年度の研究発表会には是非会場にお越し下さい。
◆お知らせ
毎月1日にアップする 今月のイチオシBOOKS は従来通り 小生のHPのコーナーにてご覧下さい。変更ばかりで申し     訳ございません。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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