2012/11/12

ラジオを聴きながら

 ~眠気を覚ます番組~

 女子プロゴルファーの樋口久子さん。

 前々日からの混んだスケジュールで疲れて、珍しく布団に入ったままでラジオを聴く状態の朝。こんな朝は、決して無理はしない。今朝がそんな状態であった。眠い目をこすりつつ起床しなければならなかった現役労働者時代とはこんなところが大きな違い。

 「改革をすることに躊躇は禁物。しかし、実績と実力が無いと改革は出来ない」と言い切る口調を、微睡む老脳は、「偉そうに言いやがって・・・」と濃霧の中で聞き取っているような言葉でしかなかった。その後、改革の申し子としての若い女子プロゴルファーが誕生したことの説明だった。従来のプロテストを回避してプロ選手を創ったことの経緯を聞き取った瞬間、老体に「起床ラッパ」(=決して実体験があるわけではない)が鳴り響いた。眠ってなんかおれん!!とばかりに布団を蹴とばした。

 樋口女史の言葉は、布団を片づける疲労体に追い打ちを掛けた。

独断と偏見が新しい世界を産む。彼女の経営理念に唸ってしまった。プロ選手を多く産出することによってファン層も厚くなる。従来のプロテスト方式に固執すれば従来と変わらない。ファンが多くなればスポンサーも見逃さない。TV画面に魅力ある「若いプロゴルファー」が映し出されれば視聴率も確保できる。ゴルフ場のギャラリーも増加する。理念を具現化するためにも、女子プロゴルフ協会の会長としての英断を自らに迫ったのだと対談は続いた。現状までの苦労話は一つも無かった。

 プロテストを受けずにプロに成れる。未踏の「理念の実現」に挑んだ彼女の識見に驚きながら妙に納得している自分に気が付いた。宮里藍・女子プロゴルファー誕生の秘話が決め手であった。この選手を皮切りに多くの若い女子選手がプロとして活躍し始めたことはゴルフを知らない小生でも「名前と顔」が一致するほどまでになっている。ゴルフ関係紙だけに拘らず、週刊誌や月刊誌、あらゆるマスコミを虜にするような取り組み姿勢を淡々と語る口調には説得力があった。

 トップリーダーのあり方を考えさせられた。
 つい先日届いた月刊誌の誌上対談で五木寛之氏の言葉と重複した。80歳の齢を超えた氏が、「ただ長く生きるだけでは意味が無い」と、自覚の養生論は、まさにトップリーダーとしての自己研鑽の必要性と自ら選ぶ生き甲斐に言及している。樋口女史のリーダー論も同質であると感じるに長時間は要しなかった。朝の僅か数十分間の思考である。目覚めを促してくれたラジオ番組に感謝である。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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