2012/11/17

『ファン気質』の基準

 ~俳優さんが、また逝った~

 テレビや映画の画面でしかお会いできない人種。それが俳優さん言う。うっとりと容姿を見詰めるタイプから、容姿そのものより話術に引き込まれどんな役柄を演じても見たくなるタイプ、更に特殊な魅力を感じることは無いのに何故か魅かれるタイプ等々に分かれるのが俳優さんだろうか。

 先日、女優・森光子さんが92歳で他界された。小生は若い頃、「時間ですよ」というTV番組に惹き付けられたことを思い出した。ユーモアのセンスが美貌とアンバランスだったことが印象強かった。

 小生はファンになった。代表作品となった舞台劇も、「一度は観てみたい」の願望だけで現実化出来なかった。舞台劇をテレビで観るだけで満足した。数々の受賞の知らせにも「ファンになった基準」を誇らしくも思った。森光子という女優さんのファン気質の最大の基準は、「第一線での活躍が40歳を超えていた」という唯1点だった。その時点から40年間以上を『人生のひのき舞台』にして大活躍されたことが、小生には堪えられぬほどの「励み」になったことは第二基準である。

 若くして陽の目を見てスターダムとやらを闊歩する芸能人やスポーツ選手にはファン気質に「ふあん(=不安)」が付加されて危なっかしくて見ておれない。夢のような世界に誘われたい気分になれないからである。その人の一生の後半に、他よりかなり遅れて開花した人生には過去の苦労と忍耐が自然の流れとして「演技やプレー」に表出するのだろうと考える。鑑賞や観戦に安心感が伴う。

 森光子・追悼番組を鑑賞しながら、人生後半の華やかな活躍の裏側に「一人の女性としての人生」には他言することを憚るような哀しい生き様があったことも知った。個人情報を細かに知ることは好みとしない。しかし俳優業にはこんな付帯状況も報道されるらしい。有名であればある程に他界後も「今だから言える」報道が後を絶たない。そろそろいい加減にして欲しいとの思いが立ち上がる。これも『ファン気質』そのものなんだろうなぁ。ご冥福を祈るばかりである。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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