2013/06/17

わが家の『猫の額』が教える、「見える成長」と「見えない成長」




 この写真は『猫の額(=我が家のちっちゃな菜園の通称)』の成長株です。

3日間も県外の霧中で過ごして、「疲労」を手土産に帰宅し、雑務に追われて週末を過ごしていました。雨が上がった猫の額に降りてみました。ご覧ください。今年は、去年より2週間以上遅く(霜害)キュウリの苗が届きました。素人の老夫婦は昨年の驚くような豊作で喜ばせてくれたキュウリに安易な期待を込めて苗の到着を待っていました。この3日間で「目に見える」成長が心を躍らせてくれます。

梅雨時期の降雨が、農業に与える効果がこんなに大きいとは農家の三男坊に生まれた小生には、真剣に考えたことがなかったのです。やっぱり母親が三男坊に向かって罵った通りの正真正銘の「親不孝モン」です(笑)。

素人の証明は、「見えない成長」が理解できないことでしょうか。

ミニトマトを植え付けてホッとしていた我々夫婦に向かって近所の玄人に「苗と苗の間隔が狭すぎる」とアドバイスを貰いました。1か月もしない内に、陽射しが通らない程に葉が茂るんだよ、と解説もありました。素人には繁ったトマトの姿は想定できません。植え付けた場所は『猫の額』です。そんな間隔を置いたら花が植えられない、と老夫婦は目を見合わせながらも、トマトの大好きな孫の顔がちらつきました。

気持ちだけの妥協と指導に従うべく間隔を開けて植え直しました(笑)。

今朝の猫の額には繁った葉が隣の葉っぱと喧嘩状態でした。「う~ん」と唸るばかりでした。目に見える成長ぶりを認めながら、そこには「見えていない成長」を計算に入れられない貧相な経験値を思い知りました。どこまで伸びるの?と驚くほど空に向かって伸びるインゲンの成長ぶりも、溢れる程に芽を出した朝顔の苗の群生に「見えていない成長」への学びの浅さを痛感しています。

「見えない成長」を読み取れる能力こそ玄人の玄人たる所以でしょう。

なかなか将来の成長を想定できない教育者は、「今でしょ!」とばかりに目の前の頑張りだけで迫ってしまいそうです。人生80年の時代に「遠き地点での成長を」期待する教育手法の追究は決して軽視できません。

猫の額に佇みながら回顧しつつ、「見えない成長」を考えた朝です。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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