19:17 受信の携帯メールに老妻が気付く。小生のパソコンを開けるように要請。開いたら孫娘が書いたらしい「習字」の作品の画像を母親(長女)が送信したようだ。画面を見詰めながら祖母(妻)と孫娘の交信が始まった。どうやら「明日までに提出する宿題」らしい。ソファに腰かけて新聞を読みながら聞くとは無しに孫に向かって作品の手当てを始めたようだった。5分もしない内に第一回目の電話交信はおわった。送られた画像の診断(=「手当て」)だったのだろう。
19:36 二度目の携帯電話のベルが鳴った。小生の役目はパソコンに受信している画像の呼び出しである。画面いっぱいに、2枚目の作品を映せば役目は終わる。近所の農家の方が玄関先に筍を持って立たれたので、接客対応は小生である。「手直し」の過程は全く耳にすることはないままに戴いた筍を台所に置いて書斎に戻る。老妻と小生の会話は無い。老妻は「手解き」を終えて、直ぐに台所に立って筍の処理に入った。
19:57 老妻に通告されていたのでパソコンを開いて待った。三度目の携帯電話のベルが鳴った。最終段階の「手直し」の指導が終了するまではホンの2~3分だった。出来上がった作品を画面で視ながら「名前を書いておいても良いんじゃない?」「もう一枚書いたら終わりにしなさい」と、老妻の声を最後にレッスンは終わったようだった。
その後の送信も交信もなく添削指導の一部始終はこの程度のモノ。宿題として学校に持ち込む作品は見ることも無い。
小生のここ数日は「教員採用試験受験者」から送られてくる【小論文】作品の添削に明け暮れている。一人の添削回数は7回までとの契約に沿って請け負っている。こちらは電話での交信指導はないが、微に入り細に入り、ボールペン1本を使い切る程に書き込んでは送っている。
届く次の作品に全くの進歩がみられないと流石にガックリする。祖母と孫娘のパソコン画面を介して「習字一枚」の作品作りの風景に接した小生の老脳には、ピピピーと閃光が走った。添削スキルのローレベルを気付かされたのである。小論文の添削指導を受けている受講生諸君には、指導手法の原点(=「手当て~手解き~手直し」)を飛び越えて、「合格するための」早道だけを解いていた自らに気付いたのである。
指導者の力量不足は致命傷だ。
1時間も掛からない内にこんなに違いがある事を見せつけられれば衝撃も大きいモンですよ!(笑)
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