2013/06/01

買ったままで一回しか使っていないエアコンが壊れたら?



 梅雨入り宣言の出た関東地方に、もう夏日の陽射しが襲って来ました。

 我が「離れ」の住まいは、南に面して建っている母屋の東側に小さな渡り廊下で繋いで南北に建築されています。敷地の関係ですから、それ自体には不満はございません。早起き鳥の小生は4時過ぎには東に面しているシャッターを揚げてカーテンを開けます。昇ったばかりの朝陽が射し込んでくれます。この時期は栗林の新緑を通り抜けてくる清々しい空気を胸一杯に吸うことができる至福の時間です。

 午後は西日が大きな窓からたっぷり差し込んで来て、夏場は難儀です。

 シャッターを半分ほどまで下げて日よけを作りますが、真夏日が続くと堪りません(笑)。長男に急かされて昨夏、やっとエアコンを取り付けました。老齢者(両親)の熱中症を心配していたようです。しかし、昨夏は取り付けたままで一回だけ試運転で点けただけで冬場も全く利用していません。

 昨日、孫が帰宅して「暑い!」の連呼です。「お祖父ちゃんの部屋のエアコンはいつから使えるの?」と請求するほどの熱さの様でした。「買っただけで一回しか使ってないからなぁ~」と言うと、「使わないで壊れたら損するジャン」と返答しましたので、老妻手作りのカバーを被せられているエアコンを見詰めた老夫婦は顔を見合わせて苦笑してしまいました。

 電化製品の故障。

 修理・修繕の文化が我が国から消えていることに思いを巡らせました。『繕う』という動詞がこの世の中からも消えたことも同時に頭を過ったのです。祖母や母が靴下に出来た穴を繕って履かせてくれたあの頃は、「棄てて、新品の靴下を買ってほしい」と駄々をこねたモノでした。願いは無視されままで、時は流れてしまいました。

 修理・修繕は、部品の取り換え時代から、「ボード(部品のセット)の取り換え」になり、ボードが製造されていないという理由で「本体の買い替え」となりました。「下取りのサービス」が強調される時代になっています。素人には、どう見ても「買い替える」気になれなくても、よりパワーアップした新型製品を勧められ下取り価格に現金を足して、否応なしに流行の製品が運び込まれるのです。そして、必ず「省エネ」という文字が貼りつけられているのです。素人には業者の真意は理解できていません。企業が「売らんが為の」努力目標なのでしょうか。表現は悪いでしょうが、詐欺行為とまで思うほどの激しい販売合戦なのです。

 発端は「使い捨て時代」の到来だったような記憶です。

未来に明るさを齎すような時代がありました。しかし、捨てた物は溶けて消える物ばかりではありません。大量の「ゴミ」として次代に残して、華やかな時代は進んで来たようです。暗澹とした行方を案じるようになりました。老化現象もホンモノになった証しだそうです(笑)。

今夏も全家庭でエアコンを使用して電気を消費します。電力を生産する過程への社会問題も先行き不透明のままで時代はどんどん進んでいます。使えばエアコンも消耗します。そして、また新型製品に買い替えを勧められるのでしょうか。修理屋さんは経営が成り立たないのでしょうね??「保証書」をじっと睨みつけています。

 衣替えの日。余計な取り越し苦労をするような老身になったモンです!
 
※カバーを外してエアコンが機能した日に撮影して本体をご披露します。いつのことやら・・(笑)

衣替えの日の朝は、当地も快晴です。4時半に家を出てみました。もう隣家の間から朝陽が昇ってくる時刻でした。15分で到着する「鶴沼」の湖面にはこんなに太陽が大きく存在していました。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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