~孫の手作りケーキに・・~
遥か彼方の時空に確かな現実として存在した日。
連休の合間を利用して設定した結婚式。高校の教員になって3年。確かに給料がいただけることがわかって踏み切った第二の人生だった。その日が5月2日である。
昨年はわが子たちの演出で「沖縄旅行」に行かせられた(笑)。戦死で散った実父の最後の地(=伊江島)を踏ませてもらった。頑なまでに拒んだ沖縄への旅行も、いざ現地が舳先の向こうに島が見えた時は感涙で霞んで見えなくなった。拒んだ無神経さを恥じつつも感動の旅であった。
あれから1年が過ぎてしまったようだ。今年は、震災と引っ越し騒ぎですっかり頓挫してしまっていた。長男宅の「離れ」の隠居小屋(?)は、娘や孫たちでにぎやかな夕べになってしまった。引っ越し後の初めての来客であるので計らい等、意に関せずに母屋のダイニングに移動して、びっくり!
孫たちの手作りのケーキ(写真)に迎えられ、「今日は何の日?」の謎が解けた。少々照れくさい。幾つになってもやっぱり照れくさい。長男が、徐に口を開いた。「明日の当日は、勤務で帰宅が遅くなるので一日早い設定となりました」と。そうか、そうだったのか!!長女一家は嫁ぎ先の業務の関係で当日の参加はできないとのメールが長男には届いていたのだろうか。後半の連休には駆けつけるらしい。
甘味を好まない小生に配慮して当分控えめだと説明もあったが、昨夜は食する気になれず焼酎だけで満足して眠った。
今朝の食卓には、夕べの手作りケーキが届けられた。少しだけ口に運んで、思わず「美味い!」と発した自らが驚いてしまった。老妻の「孫たちの愛情ですからね」との、冷ややかな言葉が引き金となって残っている部分も食している自分に再び驚いてしまった。
そんな幸せな一日が今朝もやって来てくれました。エンジン再開に弾みがかかることでしょう。
歩禅とは、『安岡正篤 人生を拓く』(神渡良平 著 講談社+α新書)で拾った言霊です。千葉県で早朝ウォーキングを長年実践しておられる方の言葉として紹介されていました。沈思黙考の「坐禅」に呼応するものだそうです。ふと読み留まったのは我が愚脳にも大きな電撃が走ったからなのです。歩きながら自然界に身を委ね、自然界に畏敬の念を抱き、そして自然界に語りかけることのできる自分を見いだすこと。これを「歩禅」と利己的に理解しました。坐禅が苦手な私には「静かに座して己と語る」ことに替わるべく言葉として受容できる気になったのです。だから私には単なる言葉としてではなく、『言霊』(ことだま)となったのです。 平成16(2004)年10月20日 還暦に記す ~以降「散歩日記」を歩禅記として継続発信中~
自己紹介
- 角田明
- 1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。
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