2011/05/29

イチオシBOOKSはHPで!

              ~「愛読書の月刊誌」に思う~
 昨日の「明日の教師」を目指す聴講生の前ではテキスト名代にしてホンの一部分を朗読しました。
 全国の講演会場でも、(アドリブで)世間話レベルで会場の皆さんに紹介するのが愛読する月刊誌です。学校教育界で生きてきた小生にとっては「学校教育に関する月刊誌」の中に数冊の愛読月刊誌はあります。しかし、単に「教育に関する」だけの専門誌には「愛読する」ほどの深いラブはありません。なぜならば、業界用語だけの羅列では「狭さと硬さ」に押しつぶされそうな窮屈感すら覚えてしまうからです。(いや、素晴らしいモノもあります!)
 小生には、退職後の生活が「全国を旅するバイオリズム 」が待っていました。そこには、新幹線や在来線・特急、機内で過ごす時間も待ち受けています。一人旅の醍醐味は「車窓の風景と対話する」ことです。しかし、6~7時間の旅ともなると対話だけでは持ちません。風景を夢心地で満喫するとしてもそんなに長い時間は無理です。そんな時、駅や空港の売店で立ち読みしながら拾い上げるのが「月刊誌」です。
 地方だけで購読できる月刊誌もかなりありますが、年間購読するほどのほれ込みは未だにありません。「その駅」だけで販売される月刊誌はその土地を訪れたら必ず購入することにしています。
 そんなことを加味しても、「愛読書」部類に入る月刊誌が10冊は超えています。東海道新幹線・グリーン車にてサービスされている月刊誌「ウエッジ」は目次を一読して、一つでも「気になる」か「気に入った」記事があったらサービスにお応えして「無料でいただいて」下車することにしています。経済界等の人材と触れる「小さな窓口」になっていることも事実です。そこから登場人物の著書にも食い指が動くことも少なくありません。
 「明日の教師」を目指している軍団へのアドバイスも「読書する」ことのススメで終始一貫しています。小生は教員採用試験の「論作文」の指導を担当しています。全国の都道府県(政令都市も含めて)教委が出題される論作文の課題を追究すると、「特色ある教育」を目指す都市像を色濃く受け止めることができます。しかし、根柢の思想は「我が国の教育向上」に関する事項であると断言しても構わないと思っています。
 昨日は「個性を生かす教育」という課題で受講生が論作文に挑みました。
 そこで、講師としての「見解」を述べました。「個性」をどう捉えるか?「個性を生かす」とはどういう状況や状態を言うのか?「個性を生かす教育」とは、具体的にはどんな教育を行政側は期待しているのか?長い教員生活で学んだ(苦労した)ノウハウを伝授しながら、小さな結論に達するのです。教育には実践しか太刀打ちできる話題は無い、と。実践を後押しするのは「専門教科領域の知識」だけではなく、人間性を裏打ちできる広い分野への「読書の栄養素」を求めておくことが最大援護力であると痛感するのです。
 この月刊誌(広げた部分)に、「日本人の個性」「他国には存在しない特性を有する日本」という、『個性論』が述べられているのです。「個性とは?」を、「授業や実験や部活動」という学校文化にしかない分野で分析しても薄っぺらいモノになってしまいますが、日本人の物づくり文化を「個性的」として捉えれば個性という言語のニュアンスもわかりやすくなるのではないかと、説きました。
 数百円で購入できるブックレット紛いの「旅の友」が、講義の重要な教材となります。
 話題としては触れることができなかった(講義の青写真には存在した)、★意外に洒脱?武士の素顔という段落には、講師としての夢物語の展開も考えられました。現職の「先生方」にも考えていただきたいほどの内容になっています。
 常磐線の1時間+京浜東北線の50分間の旅の途中で、講義のデザインをする楽しさは「病みつき」になりそうです。また、機会を見つけて他の愛読・月刊誌をご紹介しましょう。ホームページに搭載する「今月のイチオシBOOKS」は毎月1日に管理人よりアップされます。すでに管理人さんには原版を送信してあります。お楽しみください。
 

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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