2013/02/11

広島『響の会』立春セミナー

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右欄外にある『寸心紀行』をクリックして覗いてください。広島『響の会』立春セミナーの報告を登載しました

帰路の常磐線車内で拾ったお話

 特急電車は混んでいました。後部席は親子連れの乗客だとわかります。親子の会話がストレートに聞こえてくるからです。聞こえてくる会話に聞くとは無しに聞いているとどうやら大学を卒業して4月から社会人になるらしい息子さんとその母親のようである。親子で入社説明会に行った帰りだとわかりました。周囲に憚ることない母親の声には苦笑する内容が発せられていました。

 当方が感じたのは内容の問題ではない。
 現代社会の幼児化の原因を垣間見たような気分になったことである。入社説明会に「保護者同伴」が義務付けられているような現状である(=確認をしていないので憶測)。教育界でも同様な珍事が起き始めた頃退職はしたものの憂える時代の到来ではないだろうか。4月1日辞令をもらった新人教員は勤務先の学校に移動する。そこで一日の勤務が始まる。担当としての業務内容も説明される。本務の開始である。翌日に新人教員の母親から校長に電話が入った。最初の日からの激務に「教員生活に自信を無くしたので辞めたい」との伝言であったそうだ。自らの電話であったとしても大人気ないが、「保護者」の代弁では開いた口が塞がらない。

 後部座席の母子の会話が、この新人教員の母子の対話と切り離せなかった。しかし、入社説明会に保護者同伴(たまたまこの母親が付いて行ったのか?)が社会常識となると想定してみるとゾッとする。「親とはなんだ!」と、幼児化を促進する要因は何だろうと考え込んでしまった。

 常磐線の特急電車は梅園で有名な水戸への観光客らしいミニ団体で混んでいた。ほぼ満席の状態だった。そんな場面ででも、所構わず会社の方針や経営の先行きを心配するらしい母親の言動に愕然としてしまった。不思議だったのは肝心な「子息らしい」声が聞こえなかったことである。

 皆さんの周囲でもこの種の「幼児化する大人社会」の現象がありませんか? 
 
 
 




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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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