~「お祖母ちゃん」の誕生日~
保育園に出掛ける末孫(6歳)が朝から興奮状態の原因が判明した。
「お祖母ちゃんのケーキ」が食べられる今夜が待ち遠しいからだった。小学生5年生の孫はランドセルを背負って玄関先を出るや否や、「お祖母ちゃん、誕生日おめでとう!」と言ってくれたそうだ。二年生の孫は、「今朝、言い忘れちゃった!お祖母ちゃんゴメンね。お誕生日おめでとうございます」と、本番直前の発声だった。
同居して二度目の当日である。
午前中から、東京に住む次女と千葉に住む長女から交互にお祝いの電話のベルが鳴っていた。午後4時前になって学校から帰って来たらしい孫たちからも電話でお祝いの言葉を掛けてくれたようだ。誕生日そのものへの感動や喜びは少ないにしても三人の我が子の、それぞれの「家族」からの気遣いが堪らなく嬉しいのは祖父ちゃんにも理解できる。
同居する母屋軍団(5人)からの鉢植えの「5色の花」が手渡されてテーブルに置かれると「ちっちゃな花」が豪華に見えるから環境は素晴らしい。孫たちの大きな声の合唱がお祖母ちゃんの心には響いたのかも知れない。「離れ」の住まいのトイレに貼ってあるカレンダーには赤い丸印で囲んだ日付がある。利用する孫たちは既に知っているようだ。家人の誕生日である。その年の最初の赤い丸印の日付が2月20日の老妻の誕生日なのである。孫たちにとっては「最初のバースデーケーキ」を食する日となる。6歳の孫の興奮もわかるような気がする。
そんな一日に、夫である小生は「墓参すること」を妻に勧め、生花を買った。
亡き両親に、生きている日々には言えなかった感謝の言葉を花に託すことを初めて推してみた。昨年も当地に住んでいたが初めてのことで気づかなかったのである(笑)。転居して2年が過ぎようとしている。両親が眠る墓地も「歩禅コース」にある。寒い時期で歩けないので車で向かった。墓前で何を語りかけたかは確認することも無い。額づく後姿には感じるものがあったような気配だった。
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