旅日記 2月 7日 (東京都東大和市)
「師弟の絆」を映し出す学校経営
こんな表現は小生には似合いません(笑)が、敢えて添えたい表現が似合う時間を満喫できました。急な日程が翌日(8日)に広島市に入ったために落ち着かない行程になってしまい主催者の小学校には申し訳ない気持ちでの訪問でした。
学校長とは前任の勤務先(=教頭職)での出会いでした。そこは立川市立新生小学校という「統合・新設開校の小学校」でした。この小学校を立川市教委が立ち上げる前、小生は茅ヶ崎市の現職校長でした。「新設開校小学校」の方向性を指導して欲しいとの招請で数回ほど研修会に出講していました。従って既に初代校長として内示を受けていた校長との出会いは開校以前にあったことになります。
開校1年目より一般公開の研究発表に挑む小学校でした。その発表直前に教頭として(中途で)着任したのが、今日の訪問校の校長でした。新人教頭が、しかも新設した小学校の研究発表会の直前に着任となれば学校長の負担は計り知れません。一般教員を「授業研究を通して」人材育成されていたのが功を奏して、教頭を助けながら全教員の総意で発表を成功させた立派な校長が、本校校長の「御師匠さん」だったのです。
そんな過程の中で鍛え上げられた教頭先生は、以後転勤を重ねながら、小生が主宰する教育実践『響の会』の立川市会場を切り盛りする事務局も担当してくれました。当然ながらこの会の代表はこの小学校の校長先生の「御師匠さん」です。お二人の校長先生と小生との関係も長くなりました。
他市での校長昇任に師匠である退職校長は苦慮される案件があったようです。『授業づくりは学校づくり』。このフレーズは小生がある教育月刊誌の連載のために執筆した原稿のタイトルです。小生は、教師を育成するのも「授業づくり」を支柱にすることで出来ると言う理念を持っています。教員から「授業をする」時間を取り除けば「ただの人」(笑)となってしまうと冗談を飛ばします。その授業づくりで弟子の学校づくりを援助したいと考えられたようです。
学級閉鎖や担任の発熱で修羅場の研究発表日だったようです。
しかし、目を丸くするような授業展開を視ました。「コラムを書く」単元での授業づくりにはもう少し入り込んで観察したいと思うほどでした。またインフルエンザで授業が出来なかった同僚に替わって当日授業をした教員の「声質」の良さに朗読の鍛錬を勧めたくなりました。教員にとって授業の良さを左右する「声」は侮れないからです。その教員には再会までの課題を提示して帰りました。再会が楽しみです。
「教育の日やまと」という行政の指導姿勢にも注目をしました。
教育委員長のご挨拶で「秋田県」の情報が提供されました。その視点に感心しました。授業づくりの観点への興味付けになりました。小生も講演でその観点を解釈させるべく、参考実践例を聴講者にプレゼントして講演を終えました。
大先輩の校長先生が、走り出した新米の校長先生の「学校経営に加担して」寄り添う姿は正に「師弟の絆」そのものだと感じました。心仄々とする思いで懇親会に足を運ぶことが出来ました。御師匠さんの思いを受けて来年はどんな研究発表になるのかがとても楽しみになっています。頑張って欲しい!!
追記:
『授業づくりは学校づくり』という小生のオリジナルフレーズの中間に、この「御師匠さん」が『学級づくり』という言葉を挟んで教員の指導をされたようなので、講演で「まとめ」を述べました。会場にお越しになった市議会議員さんが、メモが出来なかったのでブログに登載して欲しいとのご要望でした。お約束ですから以下に附記します。
(1)授業づくりが目指すモノ =興味関心の高揚
①
学びの意味を知る ②努力の尊さを知る ③他者との違いを知る
(2)学級づくりが目指すモノ =信頼関係の構築
①生き方のルールに気付く ②周囲の温もりと思いやりに気付く ③協力の大きさに気付く
(3)学校づくりが目指すモノ =有用な人間の育成
①実践力の養成 ②継続力の養成 ③選択力の養成
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