~2月も、もう半ば~
現役の中学校教員時代にはこの『球春』という熟語は、冬眠から覚める動物の喜びにも似て「待ちわびる言葉」であった。卒業生が春の選抜高校野球大会に出場すると言うので長男(当時は小学生)を連れて新幹線で甲子園球場まで足を運んだものだった。アルプススタンドからは卒業生を間近に見える訳がない。TV画面の方がはっきり見えるのだから自宅観戦が楽な筈である。しかし、臨場感を求めて会場入りした季節である。春は名のみの風の寒さや・・・・・の歌詞通りに寒さとの闘いでもあった。何回観戦に行っただろうか?
それなのに『球春』という言葉が今年も小生に「ときめき」を運んで来てくれた。愛知県の先生から新聞記事をいただいた。プロ野球キャンプ(沖縄)だよりの記事であった。中日新聞の記事を切り抜いて届けてもらった。
30年目 マサ入念 新フォーム 球に手応え
こんな見出しの言葉を一瞥しながら、老妻と一緒に記事を読み切る。マサとは小生の卒業生の現役・プロ野球選手である。47歳になる現役選手である。この選手が中学校の選手時代の指導者であった小生は、今のマサより年齢は10歳も年少である。このあたりの年齢は、すべからく「人生の転機」の時期である。「現役」選手としての自らと涙の決別を告げる時期である。その時期より10年間も延長して活躍する卒業生の『踏ん張り』を、今年も『球春』が迎えに来てくれている。
そんな卒業生の躍動への歓喜は言葉では表現できない。
マサの新著書が手元に届いた。成長した卒業生の足跡を著書の中から探し出しながら「成長し続ける」愛弟子に大きな刺激を受ける喜びがある。これぞ教師冥利か!!
現役続行を希望しても球団側の受け入れが無ければ涙の引退である。この厳しいプロの世界で、今年も「我が子と同年代の選手」(=マサが表現している)と張り合う姿には老師の背筋も伸びる思いである。
無理せんでも良い!!怪我無く、1シーズン透して出場できたら良い!!
小生は、祈りにも似た「かすかな期待」に胸を奮わせる古希一歩手前の「マサの先生」である。今年も球場に何回か足を運ぶことができるのか?気が付いてみれば、同伴者は、息子の息子たちに代わっている!
0 件のコメント:
コメントを投稿