2013/11/03

「昭和の時代」を生き抜いた先人の強力な生命力


 享年を注目する。

敬愛する偉人のそれが90歳代を連ねる。大正時代に生を受けた方々の90年間の人生には大戦争という(戦争を知らない世代には理解が出来ないが)難行が課されていたようだ。「腹いっぱいメシを喰いたい!」が当時の祈りだったと、叔父から聴いたことがある。

 少年の日の思い出を良く書くので、親しい読者からは「加齢の証」と苦言を呈されているが、懲りもせずに食事の思い出を、今日は述べる。「好き嫌い」が許されず、「キライと言ったがために」食事抜きとなった苦いシーンがはっきりと浮かんでくるのである。今の時代には、「親に因る体罰」と記されるのか!?(笑)

 老妻がこんな本(写真版)を求めた。

 何気なくページをめくってみると注目する活字が飛び込んできた。高齢時代も後20年は続くまい。理由は粗食の時代が過ぎ去った頃に生きて来た年代が高齢化して来るからである。平均寿命の伸び悩みも到来するだろう。長寿への意識の無い時代に生きて来られた人たちに比べる。「医学や薬剤」の恩恵を借りながら長寿を目指すのでは比較基準が違い過ぎないだろうか。

 長寿も、「健康長寿」でありたい。

他界された方々が、その前日までお元気であったと言う報道を確認する度に「粗食」の重要性を実感している朝である。

 以下に著者と、対話に登場されている方のコメントを以下に紹介しましょう。 

食事作りを「面倒」「難しい」と思わせてしまったのは、栄養教育の影響が大きいです。「バランスのとれた食生活をしましょう」と言うのは簡単です。しかし、それを実践しようとしたら、「朝からごはんに味噌汁、野菜、肉か魚、大豆製品、できればそこに牛乳か乳製品をつけましょう」、ということになる。僕は初女さんが実践されているような食事が、本当の意味でのバランスのとれた食生活だと思いますね。本物の食生活は決して難しくないんです。   
                                                                                                ―幕内秀夫(対談者) 

日本人に一番合うのは、ごはんを中心にして、季節の野菜や魚などをいただく食事。この国はもともと、「瑞穂の国」と呼ばれていたのよ。最近、「これを食べれば病気にならない」「健康になるにはあれを食べよう」などという極論なことが流行ったりするけど、そういった食事は、病気への恐怖や生へのこだわりが強くなりすぎて、かえって体に良くないと思う。                                                                         -佐藤初女(著者)
 
 
 

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

自己紹介

自分の写真
1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

フォロワー