2010/04/25

日曜エッセイ 「親切と大切」

  ~「瓢箪から駒」~
 頂いたお菓子を食べたのは三日前のこと。
 美味だったことは記憶の中枢に未だ残存している今朝のこと。数日経ても「後片付け」が済んでいないことに気づいたので「燃えるゴミ」として処分しようと菓子袋を手にした。無意識の中に袋に書き込んである文字が目に飛び込んできた。
 「誰にも親切 父母を大切に」。
 この世はには似合わなくなってしまった表現である。なぜならば、「要らぬ世話だ」と一笑に付されそうなフレーズに思えたからである。親に向かっても平気で反抗的な返事をぶつけてしまいそうな世相になってしまっているからである。しかし、小生は無碍に捨てる気になれず、お茶を入れてくれている妻に語りかけてみた。「え、気が付かなかった」と応えた。勿論、小生も全く気づいていなかった。その程度の存在感。
 この文を掲載する製作者の意図はどこにあるのだろうか?こんな事を書き添えて売ったら嫌われるのではないか、と迷われることはなかったのだろうか。製作者や関係者の誰かが自身の「親」から学んだ「教え」の一つであると想定することは「当たらずとも遠からず」ではないだろうか。
 先日の沖縄・亡父追悼旅行がまた浮かんできた。父母を大切にすることは、生死には関係ないと心したのは今朝だけではない。「誰にも親切」は学校でも学んだ。祖父母の教えの一つでもあった。
 「捨てられずに存在し続けた」菓子袋から改めて考えさせられた朝である。
 

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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