
昨夜の「残り湯」で、日課の『腰湯』をしました。
5月5日の菖蒲湯、と言えば亡くなった義父を思い出します。7年前に介護の為に早期退職して郷里に帰りました。郷里の空には大きな鯉のぼりが泳いで歓迎してくれました。「こどもの日」の夕暮れまで庭先で遠くの鯉のぼりを眺めながら過ごしていた義父がどっかへ行ってしまいました。姿が見えなくなってからかなりの時間が経ったような気がしていました。ただ、介護の必要な義母とは違って足腰も達者な義父なので外出しても不思議ではありませんでしたのでさほど心配はしていませんでした。しかし、「遅いねぇ、どこに行ったのかな」と妻と会話が始まるほど時間が経っていました。玄関先に戻った義父の足下を見て妻が大声を挙げました。どろんこの足だったのです。
「どうしたの!?」と妻。「どこへ行っていたの?」と小生。
普段から無口な義父は言葉を発することなく、右手に握っている「菖蒲の葉」を突きだしたのです。そしてポツリと言いました。「年寄りばかりじゃ菖蒲湯も必要なかけん(=ないから)」と言いながら風呂場に向かったのです。娘夫婦が帰ってきてくれた現実を喜んでいた証だったのです。地元の菖蒲群生地まで行っていたのです。その夜は、義父の優しい思い遣りに感激しながら懐かしい菖蒲湯に浸り、幼い頃を思い出すことが出来ました。
そして、昨夜、風呂の蓋を開けてそこに「菖蒲」を発見しました。香りをじっくり堪能するほどの菖蒲ではなかったのですが湯舟の中で亡き義父の「あの日」の言動を思い出していました。
今日から小生は新年度です。例年のことですが出向(出講)日程の始まりです。早朝に湯治療法として『腰湯』をするのが日課です。残り湯に昨夜の菖蒲がありました。菖蒲にあやかって「勝負」できる人生のために『腰湯』を満喫しました。
さあ、そろそろ出発します。行ってまいります!!
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