~72歳まで有効とは言うけれど・・~
運転免許更新者講座でVTRを視た。
茨城県の交通事故状況データを画面と説明で受け止めながら高齢者の交通事故死の高率を認識した。免許証の更新も「70歳」がキーパーソンであることを実感しながら手渡された「最後の免許証」(と、考えている)を握りしめて不案内な市街地を抜けて帰宅した。反射神経の衰えは、ひょっとすると自意識が少ないのかもしれない、とハンドルを握りしめる手に異常な力が入るのに苦笑しながらの運転であった。
閑かな離れ屋で、ごろりと横になったらいつの間にか眠ってしまったらしい。30分も眠ったのだろうか。目を覚ますと「長旅をさせてしまって・・」と老妻が、先般の九州への旅のことを遠慮がちに謝りの言葉にして発した。「そんなことを言うもんじゃない」と突き放しながら、枕元に置いてくれていた朝刊に目を通した。
映画監督の新藤兼人さんの言葉が新聞のコラムで紹介されていた(写真版)。
最後の段落での表現には、この老脳まで刺激をいただくような嬉しさである。内容の登場事例人物とは立場は違うが、内側に流れる「生き方」は共通であると思うからである。記事の中に紹介されている氏の著書をネットで調べたが、もう絶版になっているようだ。新年早々には、氏の母校(小学校)の研究発表会の記念講演に招かれている。校舎内に特設された「新藤兼人・資料館」をまた覗くことが出来る。氏の偉大な足跡に、この記事の文章を照らし合わせると直接に対面しているような気分になるのだから至福である。蛍が乱舞する母校周辺にも秋の訪れはまた違った趣を醸し出していることだろう。
なるか、ならないか ではなく するか しないか である。
この氏の言葉を大切にしたいものである。
運転免許証も更新して深まりゆくわが人生である。年齢相応の黄昏に没することなく、「燃え尽きるまで燃える」人生の歩調を大切にしたい、と改めて心している爽やかな朝である。
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