立て続けに二人の親族を失うのは衝撃だったことだろう。
そんな心情の妻を誘って久しぶりに歩禅に出かけてみた。転居して半年が過ぎると季節の移ろいをそこかしこに 感じ取れる光景が待ち受けていた。稲の取り入れが済んだ田んぼでは懐かしい風景を見ることが出来た(写真下)。モミ擦りが終わったぬか状態(もみ殻)に出来上がったものに点火され天然灰を作っている景色に出会い、煙の臭いが、また少年の日々の思い出として蘇ってきた。取れたてのサツマイモをその中に投げ入れてしまうと、仲間と一緒にその田んぼで野球ごっこをして遊んだのである。全体が焼けて真っ黒になると農家のおじさんたちもどこからともなく戻ってきてサツマイモを取り出してくれた。「あつ~い」と言いながらも二つ目や三つ目も口に頬張る元気者もいた。当時はそんな「おやつ」がいただけるだけでも幸運だった。いや、至福の時間だった。妻にそんな思い出話を語り掛けたが殆ど反応はなかった。
歩禅の道路にムラサキシキブ(写真上)の鮮やかな紫色が目に飛び込んで来た。
妻が叫ぶ。「茅ヶ崎の庭にも咲いているかしら!」と。十年以上も前に妻が友人から戴いたお気に入りの花の一つだった、何気なくその花との再会に「茅ヶ崎の自宅」を思い出したような妻の横顔にはここ数日間の憔悴した表情からホンの僅かだけ脱出したようにも感じた。歩きながら秋の野草や花が咲き誇ったであろう形跡を見詰めながら、今度は妻のつぶやきだった。「バタバタしているうちにもうコスモスの季節も終わったのね。今年の秋は何だかあっという間に過ぎた感じだわ」という声を耳にしながら10月の初めから昨日までの約20日間が妻には「あっという間」だったのだと推察できた。遠距離の九州への移動があったことが時の経つ感覚にズレを起こしていたこともわかるような気がする。昨日の叔父の葬儀を終えて帰る長男の車の中で、夫と息子や娘に言った「感謝の言葉」を思い出しながら帰宅した。
次男孫の帰宅時刻より早く着いたのでほっとして妻が入れてくれるお茶を飲みながら付き添った20日間の疲れを小生も感じている。
しかし、急に気温が下がりました。皆さんの周囲はいかがでしょうか?帰宅した次男孫の第一声は、「おじいちゃん、4年生の1クラスが学級閉鎖になったんだって」である。季節は確かにインフルエンザの待つ時期に向かっているようです。皆さんもくれぐれもお気をつけてお過ごしくださいませ!!
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