2012/06/21

6月台風の爪痕

 ~「6月だから」の被害~
 「離れ」に住む老夫婦にとって朝の美味しい空気を戴ける喜びの源は隣接する栗畑にある。
 作業をされる親子(高齢者の父親と孫もいるご長男)のきめ細かな配慮で見事な栗林が広がっている。東から朝日が昇ってくる時間帯も繁った栗の木の葉で夏の日差しを遮ってくれるので暑さも感じない恩恵も受けている。
 昨日の朝。
 雨戸を開けた瞬間、想定外の景色に唖然とした。写真でご覧のような風景が目に飛び込んできたからである。この状態から一日も経つときれいに片づけられて爪痕もわからない。はっきりしているのは栗畑の向こうにある隣家の庭さきを見ることが出来るように片付いていることである。
 離れのリビングから対話が出来る場所で作業をされる姿に向かって声を掛ける。「大変ですね。こんなことって多いんですか?」と。「6月で良かったですよ」と思いがけない答えが戻って来た。毬栗になってからだと、重さも加わるので枝が折れやすくなるのだとの説明でわかった。秋の台風襲来には命が縮む思いだとも語られた。だから、「6月で良かったですね」と、同意の考えを言葉に発することはできなかった。
 丹精して農作業に取り組まれる農家人のこの努力は、自然界の脅威との闘いだと言われた老父の言葉が重かった。こんなに必死に栗の栽培に取り組まれて収穫した栗に、「福島第一原発」の被害がないことを祈るばかりである。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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