2012/10/15

歩禅の記

 ~陽射しはまだ夏?~

 まだ早朝歩禅に出向いていた時、「もう、金木犀の香りが・・・」と妻が呟いた。小生の鼻はそれをキャッチしていなかった。十年以上も前の話である。『花粉症』とやらが秋の季節にも襲来して匂いの世界を遮断した時期があった生活への直接影響は無いが情緒の欠乏に連なり、精神的に芽逝ったことを思い出した。「もしや・・」その再来かと不安に感じたのである。

 そして、今日は秋の陽射しをたっぷり受けている時間帯を選んで妻と一緒に歩くことにした。日中の歩禅は「用足し」歩禅である。つまり、何かの用務を済ませながら歩くことである。最初の用務先はJRの駅である。明日からの愛知県(豊橋市~名古屋市)への旅のチケットを購入することで徒歩5分の距離を手始めに歩いた。往復乗車券と東海道新幹線の自由席特急券を3回分購入した。

 駅前の商店街にもすっかり馴染が出来た。

 妻が最後の時間帯に立ち寄りたいと言うマーケットを指定した。そこでルートを考えた。駅の小さなロータリーを渡って北へ向かって歩を進めた。幼稚園があり、電気製品量販店が並んでいる商店街を抜けて路地裏の道を選んだ。このあたりは道幅が狭い割には交通量が一定量以上あるので歩行者には危険極まりない区域である。その辺まで感知できる町民になってしまった(笑)ようだ。

 お肉屋さんのご主人から声が掛かった。孫たちが肉が好きなので連れてはこの店にやってきているので面が割れていたようだ(笑)。開店したばかりなので未だお客様がいなかったこともあったのだろう。しかし、業務上とは言え通りすがりの客の顔を覚えると言うのも難儀なことだ、と妙に感心しながら更に北へ進んだ。

 商店街の裏には大きなお屋敷が沢山ある。

 金木犀の香りが鼻に届いた。妻に向かって「金木犀の樹がどっかにあるぞ」と叫んだ。「目の前ですよ」とさり気ない応答だった。先々週あたりの「匂いがしない」世界から抜け出た、夫の喜びを十分に理解していないらしい。

 秋の香りの主人公は金木犀かな?と話しかけると「菊の香り」も主人公になるのでは?と問い直され答えに窮してしまった。

 40分少々の歩禅であるが、帰路は「買い物袋」の重さで疲労度は通常歩禅(45~60分)の疲労度と大して変わらない。我が家に最も近いマーケットを選んだのは妻の配慮だったのか(?)。  【40分・4900歩】

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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