2012/10/16

久しぶりの『良い』緊張感

 ~理論を裏付ける授業づくり~

 小学校での「外国語教育(=英語)」が本年度から完全実施になった。数年前から小学校教育関係者の間では、必ず苦労の話題として上った一つであった。何せ、授業の主体者である「学校現場」への配慮など無視されての教育課程実施であったからである。

 小生も、中学校の英語科教員だけの経験では、ここまで真剣に考えなかったかも知れない。小学校教員の(中学校教員とは違う面で「良い」)特質を考えると、黙っては通過できなかった。「ことば」の正式な学習の出発点である小学校1年生の「こくご」の時間を、「英語学習」の原点として位置付けられれば小学校教員も負担が軽くなるのでは、と仮説の仮説を立てて軽い理論構成に挑んでみたのは12年前のことである。

 その理論の一握りを、実践として公開できたのが愛知県教委の『プロフェッショナル事業(=略称)』への登壇要請であった。その種の研究も全く無い状態での教材探しには苦労をした。小学校1年生の国語・教科書の内容を「英語でつなぐ」教材は学校関係者での発掘は皆無だった(ようだ)。市販されているCDDVDから、小学校1年生の「こくご」教材と合致するモノを数種類発見して、俄か仕立てをして臨んだのが愛知県教委の要請授業であった。その当時の示範授業が、「今日の出来事」に繋がったのである。

 愛知県小牧市立小牧中学校・英語科教諭の山本敦子先生が創案された小学校1年生の「こくご」教材を「英語の絵本」として完成されたホンモノを使って授業を試みる記念すべき日となったのである。

 英語を(正式な授業として)学習する小学生にとって、数年前の記憶を蘇らせながら英語の学習へと誘導する展開である。その教材発掘を今夏まで継続されていたことを(山本教諭との出会いから3年を経ている)知らなかった。偶然とは偉大である。山本教諭が勤務する中学校の校長は長年親しくお付き合いしている玉置崇氏である。氏から情報としてメールが届いて感動の事実との遭遇となった。氏の配慮でその後は山本教諭と連絡を取り合って本日に至ったのである。氏が愛知県教委の要職にあった時点での事業が『プロフェッショナル事業』だったのだから運命的な展開としか言い様がない。

 偶然の偶然が二重奏となったのは、本日の教室を提供していただく小学校との出会いである。校長は小生の大学の後輩なのである。しかも、愛知県下にあったことである。この部分については後日の報告としたい。この偶然も、小生の『運の強さ』そのものであると言わざるを得ない。

初めて出会う6年生の子ども達の中で「たった一人」にでも、英語学習への誘いが出来たらサイコーと考えている。そろそろ、会場校である豊橋市立多米小学校まで出かける準備に取り掛かることにしましょう。後日の報告をお待ちください。

0 件のコメント:

コメントを投稿

自己紹介

自分の写真
1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

フォロワー