2013/08/11

長男夫婦が勤務する『施設』の盆踊りに行って来ました。


 理解はしていたつもりだったが、実態と遭遇して声が詰まった。


 奉仕グループの太鼓や笛の演奏に合わせて、ひょっとこ・おか目の面を被った踊り手が舞台に上がると歓声がどよめきに変わった。天狗の面を被った男性は櫓の踊り場に載らずに櫓の周囲を踊って周回である。興奮状態の利用者さん(障碍者施設の)も、思わず天狗の面の踊り手に近づこうとしている。

 その人の手を引っ張って集団の外に連れ出した職員(らしき人)がいた。何やらポケットから取り出した。封を切っている。利用者さんも職員の仕草には慣れているのだろう。全身は太鼓や笛の音に合わせるかのような動きでありながら、いつの間にか口を開いて待っている。職員が口に運んだ袋は「くすり」だったようだ。飲み終わったら踊りの輪に戻って行く。1組に注目していたので気づかなかったが、注視するとそのような光景があちこちに見受けられた。

 投薬は障碍に応じての対応であり、職員の業務の一つではあろうが大変な役目である。障碍者施設に勤務する長男夫婦である。施設には、重度の障害を持つ利用者さんから軽度で宿泊施設に入居して外部への勤務に出向く人も居るという。成人者向けの施設である。高齢者も多くなっていると聞いたこともある。

 障碍者の高齢化にはその親自身が要・介護の年齢者が頓に増えたそうだ。平均寿命が延びる現象はご多分に漏れず施設にもその波は押し寄せているとの情報も得ている。レジャーや余興を楽しむ時間でも、施設の職員は「その人に応じた」時間と薬の睨めっこのようだ。その事実を盆踊りの会場に居た2時間で幾つも見届けて帰って来た。

 盆踊り会場の出店の品物は無料である。孫たちは列に並んで順番が来たら貰って戻って来ては無心に食べている。1時間近くは櫓に注目する孫はいなかった(笑)。
 
 
 障碍者の人たちも浴衣姿が目立った。華やいだ姿にも「高齢者」の波は確かに押し寄せているように感じた。親御さんの気持ちになれる小生は、目に映る光景に、我が子の行く末を案じる親業の辛さに思いを馳せた。圧死しそうになる親心を偲べば心が痛んだ。
 
 
 そのような環境を「仕事場」にしている長男夫婦が、安心して仕事に打ち込むことが出来るように、「留守を守ってやらねば」、と強く感じたひと時だった。
 
 
 

 
 
 
 
 

0 件のコメント:

コメントを投稿

自己紹介

自分の写真
1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

フォロワー