2010/06/06

新・旅日記(6月2日~5日)


芒種  【芒(のぎ=イネ科の植物の花の外廓)のある穀物を播く時期。二十四節気の一つ。太陽暦の6月5日頃】
 
  ~あれ?疲れていない!~
 精神的疲労は身体的疲労を自然淘汰する?そんな大袈裟なことではないだろうが、ふとこんな哲学的表現が浮かんできてしまう朝である。4日間の広島滞在の講演旅行であった。講演活動(と周囲は表現する)とやらを始めた頃は、5泊6日と言う日程もあった。重ねる内に体調に異変が生じた。腕が動かなくなったり微熱が続いたりして「元気印」が売りの小生には耐えられないほどの苦痛(心痛)を味わう羽目にもなった。我が儘を言わせていただいて「最高でも3泊4日」の行程で依頼を請けることにした。久し振りの、その最長の旅となった。
 実は内心では心配もしていた。しかし、最終日の朝焼けの景色(写真版参照)を18階のホテルの窓から拝んだ瞬間、「疲れは残っていない」と心が軽くなった。最終日も何とか務まりそうだと嬉しくなった。
 無事(かどうか)に、要請業務を全て終えて「広島駅始発」ののぞみ号に乗車した。関係者に携帯メールを送信する予定だった。ところが疲れていないはずの老体も、目が醒めたら姫路駅だった。途中の岡山駅停車に気づいていなかったことに気づいて苦笑した。「なぁ~んだ、やっぱり疲れてんジャン!」と自問すると「当然ジャン!」応えが戻ってきて苦笑の二重奏(笑)。
 3日 広島国際会議場 広島県公立小中学校教頭研修大会・基調講演(90分)
 4日 広島市立亀山小学校・授業研究協議会 指導助言者 (終日:公開授業教室および協議会特
    設会場)
 5日 広島市立亀山小学校・第6回「子育て応援談」(談は間違いではありません)対象:保護者(10:
    30~11:30:体育館)
 広島国際会議場はTV画面では何回が観たことはあったが、現場のステージに立ったのは初めてである。広島全県から出席されている「教頭先生方」の数に圧倒されそうな会場であった。不思議な感じがしたのは、一人二人ではない数の教頭先生達を知っていることだった。多くの学校訪問をして授業研究を共にした先生達が「教頭先生」になっていることである。驚きながら広島への訪問が、そろそろ10年近くなることをしみじみと感じた時間だった。会場に集う聴講者の真剣な眼差しは、この講師には異常なほどの力みを与えるから厄介だ。今回も例外ではなかった。後輩の教頭先生達にエールを送る全身が炎に燃え尽きた90分間だった。ご多分に漏れず「感想は聞きたくない」心境で会場を出た。
 亀山小学校とは4年目のお付き合い。学校からの要請は学校長のイニシアティブに因ることが大きい。本校も例外ではない。隅本校長先生の熱意に絆され、初めての訪問から、回数を重ねて何度目なんだろう。広島駅から可部線に乗って45分。眩しいほどの新緑に歓迎されながら2日間の「通勤」であった。
 授業研究は教師稼業では切り離すことは出来ない。しかし、全国の全ての学校で何十年も続いているこの「授業研究会」(校内研究会とも言う)も特色らしいモノは余り見かけない。小生は最後の勤務校では「授業研究協議会を公開しよう」を合い言葉に学校経営をしてみた。つまり、授業を研究し合っている現場の教師の熱意を公開することが必要であるという理念を現実化したかったからである。この挑戦にはかなりの手応えを感じていた。その熱さを広島市の小学校のいくつかで実践指導を試みてきた。この亀山小学校の現状と遭遇した今回、大きすぎるほどの手応えを感じた。これも「疲れを吹き飛ばす」要因であると感じている。教師集団の成長に目を見張った。授業を自主公開した教師の力量が飛躍的な前進を醸し出していた。公開授業の担当教員の意気込みも感じ取れた。大きな期待をしたくなってしまった。今度はいつ呼んでもらえるのだろうか。
 保護者対象の講演会。最近、頓に多くなっている。想定外の出席数に先ず驚いた。もっと驚いたのは能天気爺さんを証明した手作りの欠陥資料(会場に配布)であった。60分を何とか話しきってしまったのはやっぱり能天気な性格の為せる業(笑)。12月にはこの失態のリベンジをする機会を校長先生はお作りになっているではないか。心して次回は準備をして伺います(誓)!

こんな4日間の旅も終わりました。
週末は愛知県小牧市です。今回とは色合いが全く違う講座に出向です。違った興奮と興味でこの老脳にももう充血が始まっています。 

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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