2010/06/14

『括り着想』の落とし穴に填りました!




 ~いるじゃん!しっかりした若者が~
 写真版でお示ししたのはメール交信のホンの一部分です。
 去る12日、愛知県小牧市で開催された『教師力アップセミナー』に出講しました。数ヶ月前から主催者側から担当窓口として一人の教員をご紹介いただきました。当然ながら全く存じ上げない人物です。セミナー前夜の事務局関係者との夕食会の会場で担当者とは初対面でした。ホテルまでお迎えいただいた主宰者のご案内で食事会場に到着しました。出迎えてくれた若い女性がいました。初対面の挨拶で今回の講座の担当窓口として事務連絡をしてくれている人物だと分かりました。約束の時間までにはまだ15分ほどの余裕がありました。名刺を差し上げて、今日までの担当業務の遂行にお礼を申し上げました。
 「お会いできるのをとても楽しみにしていましたが、今日は緊張してしまっています」と笑顔で応えてくれました。行政用語ではこの一連の動きを「接遇」と言うそうです。来客への接し方の無神経さが話題になる公共機関での難題・課題の一つとして意識されている言語です。
 若い女性教員が、主賓の到着より一足先に会場で待機して「楽しみにして待っていました」とさり気ない言葉を発することこそ接遇の基礎基本事項なのでしょう。かく言う小生など伊達に加齢はしていても接遇とは無縁な人間としてここまで成長(笑)してしまいました。
 爽やかな笑顔と必要以上のお喋りをしない接遇の基本的な「しつけ」は彼女をお育てになったご両親始めご家庭での教育の賜なのだと確信しました。
 講座自体は、上掲のメールの本文にも記した通りです。あれも、これも?ザル状態で抜け落ちてしまいました。担当の彼女には「あれも・これも」準備しておくようにと偉そうに命令したことが恥ずかしい限りです。《どこかで、リベンジさせていただけませんかね》
「350ミリリットルのアサヒスーパードライ(缶)を購入して会場に持参しなさい」と夕食会の席上で命令しておきながら・・・会場では目の前の担当者の机上にはその実物も置いてあったにも拘わらず・・・使わず仕舞い!この非礼なる高齢者は若者に偉そうなことなど言えませんな!
 「今の若者は・・」との括り着想に逆上しそうだった「若かりし頃」の小生。それがいつの間にか思考回路に錆まで着いて「全く、今の若い人たちは・・」と括ってしまって愚痴ることもしばしば。担当窓口として当日まで、本務の合間を縫って懸命に頑張ってくれた彼女の素晴らしさに、完全脱帽。講義進行上の機器操作等の手際も言うこと無し。感服。
 そして、まだあるのです。
ダメ押しが今朝のメール。上掲の最後の部分で朱書きにしてある「受信時刻」をご注目下さい。そして、今朝の心情を記した「教員としての心構え」には、後頭部を何かで殴られたような衝撃が走りました。恐れ入りました!!「今後ともこの爺をお見限りなくよろしくお願いします」とそぼ降る雨の西空に向かって両手を合わせてしまいました。娘のような「若者」に、「爺も頑張ります!!」と小さな声で叫ぶのが精一杯のことでございます(笑)。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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