~心温まる一葉の写真~
思いがけずにご自宅にご招待を受けました。
研修会を終えて最寄りのJRの駅までお送りいただけるとばかりの思い込みは(地理的な不案内もあって)、車がご自宅に向かっている等と疑う余地もありませんでした。
住宅街の一角で車が止まりました。駅周辺の雰囲気とは全く違うことぐらいはわかりましたが、ご自宅前であるとは驚きでした。「どうぞ」と言われた門前で、遠慮して押し問答する年齢でもなく、不躾ながらも玄関からリビングルームに通されました。昼食の準備していただいた奥様はお仕事で不在だと言うこともわかりました。二人の息子さん達とも会いました。昼食の準備がテーブルに済んでいました。遠慮無くいただいて、一人の息子さんも同乗して駅まで送っていただきました。
想定外の行動に面食らいながらも心温まるお持て成しに感激と感謝の気持ちを表して、車を降りて電車に乗りました。
帰宅して、妻にその様子をしゃべり出すと「遠慮するきっかけも掴めなかったんですね」と理解してくれてホッとしました。
就寝前に「本日最後のメールチェック」をして、添付ファイルの写真(右上)を見て驚きの余り声をあげてしまいました。
文面には「角田先生、ごめんなさい。女房が折角準備していてくれた料理を出し忘れてしまいました。女房に叱られてしまいました」とありました。昼間の「温かい接待」に感動したシーンに、この写真と謝罪文が上乗せになりました。早速、妻にも見てもらいました。一葉の写真で、感激屋の爺の心はぽかぽかになってしまいました。余談ながら、実は「大好物」なのです。惜しかったなぁ~、と呟きながら「次回を期待しよう」、と思うのはやっぱり加齢の為す「ふてぶてしさ」なんでしょうね。ご馳走様です!!
歩禅とは、『安岡正篤 人生を拓く』(神渡良平 著 講談社+α新書)で拾った言霊です。千葉県で早朝ウォーキングを長年実践しておられる方の言葉として紹介されていました。沈思黙考の「坐禅」に呼応するものだそうです。ふと読み留まったのは我が愚脳にも大きな電撃が走ったからなのです。歩きながら自然界に身を委ね、自然界に畏敬の念を抱き、そして自然界に語りかけることのできる自分を見いだすこと。これを「歩禅」と利己的に理解しました。坐禅が苦手な私には「静かに座して己と語る」ことに替わるべく言葉として受容できる気になったのです。だから私には単なる言葉としてではなく、『言霊』(ことだま)となったのです。 平成16(2004)年10月20日 還暦に記す ~以降「散歩日記」を歩禅記として継続発信中~
自己紹介
- 角田明
- 1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。
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