~動物界にも新しい時代が到来~
遡上してきた鮭を狙って川に下りてくるヒグマをテレビの画面で見ながら驚いた。
同一画面に釣り人が数名映っているではないか。その距離は数十メートルだろうか。カメラマンが「クマがいるぞ~!」と大声を上げると双方が気づくが、声に危機感を持ったのはクマのようである。そそくさと森に逃げ込むが、三十分も経たぬうちに再登場するらしい。
人間を警戒していたクマの世界にも新時代が到来したと関係者がインタビューに応えている。その人物から発せられた言葉が「新世代ベアーズ」であった。自然界にも異常気象が続く。その結果餌も少なくなったと想定しよう。動物界も「生き延びる」術を全身で得る必要が生じる。生きるためには「新・獲物の取り方」までが変貌していると考えてもいいのかもしれない。最終段階では、動物界では人間も餌に該当する世界が近未来は現実化することを避けられない?
動物界に新世代が出現するとなると、我が人間界も霊長類たるエリートである動物としても更に優秀な新世代の出現が望まれることになる。動物界の「生命力」が衰えることの期待は薄い。一方では知能は霊長類でも生活する知恵はすっかり衰退している新世代の人間は動物界の餌食になってしまうことが予想できそうだ。
文科省が新世代の子供たちに向かって、学校教育界に「生きる力の育成」を通達してからもう何年になるのだろうか。真剣に「生きる力」を養成するオトナの意識の低さに気づいてもいないことが恐ろしい。授業と言う机上論紛いの時間で「生きる力」が育めるなどと思うことが浅はかではないか。地域で生きる人間は、動物界と同様に「群れを成す」生活の中で育てることが最優先である。人間同士の「関係性」すらも面倒くさい意識でいる現状では、動物に勝る「知恵を生かす」生きる力すらも心もとない。本気で「生きる力」を新世代に伝える義務を現世代の大人は考えねば人類滅亡も時間の問題である。
新世代ベアーズの特徴は、「人を恐れずに近づく」ことだそうだ。甘く見ると獰猛な肉食動物に餌食になる人間のニュースが届いてしまうかもしれない。本気で「共生する」知恵を産み出すことが人間界には急務ではないだろうか。
朝から滅入るような話題になってしまいましたね。ゴメンなさい。
歩禅とは、『安岡正篤 人生を拓く』(神渡良平 著 講談社+α新書)で拾った言霊です。千葉県で早朝ウォーキングを長年実践しておられる方の言葉として紹介されていました。沈思黙考の「坐禅」に呼応するものだそうです。ふと読み留まったのは我が愚脳にも大きな電撃が走ったからなのです。歩きながら自然界に身を委ね、自然界に畏敬の念を抱き、そして自然界に語りかけることのできる自分を見いだすこと。これを「歩禅」と利己的に理解しました。坐禅が苦手な私には「静かに座して己と語る」ことに替わるべく言葉として受容できる気になったのです。だから私には単なる言葉としてではなく、『言霊』(ことだま)となったのです。 平成16(2004)年10月20日 還暦に記す ~以降「散歩日記」を歩禅記として継続発信中~
自己紹介
- 角田明
- 1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。
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