小学校4年生になる孫から「昔の生活」という単元(?)での学習支援のために学校に来て話してほしいとの要求がありましたが、その日は以前から請けている講演があり対応できませんでした。申し訳ないと思いつつ、近所の同級生数名を対象にしてミニ講座を開きました。老妻の旧家(熊本県八代市)から『蚊帳』を運んできていたことを思いだして実物を引き摺りだして部屋に張って見せました。驚いた孫軍団は、これが何のために使われていたのかわからないのです。当然名称もわかりません。しかし、中に入った軍団から歓声の連続でした。折しも、「夏休み」中の自宅ショーですので興奮も収まりません。そして、蚊帳という生活用具の用途を説明しました。真剣にメモを取りながら感心する孫の友人たちを確認すると老妻と二人で「こちらが興奮したね」と苦笑いをしたほどでした。
蚊帳を畳んで今度は、大事に持っていた折り畳み式のナイフを取り出しました。読者のみなさんでもこの「昔の道具」を使用したことのない人が多いのではないかと思いますが、いかがでしょうか?
この話題は我が家の今夏のことでした。
孫の社会科の勉強で波及した祖父ちゃん祖母ちゃんの「懐古」授業でした。この写真で名前がわからない方は、新聞記事の見出しの文字をお読みください。小生の少年時代に必携だった生活道具がこの「肥後守」というナイフです。護身用??とんでもない!!生活用具でありました。使用頻度の高かったのは、『鉛筆削り』だったのですよ。
孫たちの前で、『昔取った杵柄』張りに、鉛筆を削って見せました。感動と興味が4年生の男児たちには当然のように湧き起こりました。「やりたい」「研いでみたい」との要望で4人とも懸命に取り組みましたが、全く巧く研ぐことができないのです。その結果(笑)、お祖父ちゃんて凄い!!と言う感動の褒め言葉を頂戴してしまったのです。
この「肥後守」が昨日の新聞記事で取り上げられました。
孫と一緒に新聞記事を読みながら、彼は今夏の出来事を思い出したようですが、小生は遠い日々となってしまった「少年の日」を思い出してしまいました。このナイフは多目的使用が可能な「万能」なものでしたので「少年たちの宝物」的存在でもありました。殺傷するような野暮な使用方法等眼中にはありませんでした。社会で事件が起きるたびに制約や禁止の風潮が今でも続いているのが残念です。
危険だから?怪我をするから?と想定内での大人たちの着想で、子供たちから本当の危険との勝負が取り上げられる時代が続いています。そんな孫たちの将来が心配になっている、『昔の少年』のボヤキでした。
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