2011/12/30

素敵な『お歳暮』



 ~「冥利」という美酒(手紙)に酔いました~
 今秋訪問した小学校から贈り物が届いた。中身は夜の懇親会で舌鼓を打った美味である。その夜の光景が勝手に復元される。全国を巡業(笑)すると、その地の名産や特産物に巡り合う。旅の醍醐味でもある。だから止めれない?
冗談は論外としよう。
 贈り物の中に手紙が入っていた。荷物は妻に預けて小生の視線は手紙の内容に釘付けになってしまった(写真版・参照)。それは想定外の内容であったからである。こういう場合の礼状では「子どもたちが・・・」とか「教員の目から鱗が落ちた気分になりました・・・」等々美辞麗句が羅列されるのが常套である。しかし、この小学校の研究主任の「礼状の中身」は余りにも違い過ぎたのである。一読いただきたい。
 決して管理職の非難ではない。共に伸びて行くべきである管理職が、ややもすると他人事的発想で授業を観察する。それだけが職務と誤解している管理職が存在する。そういう校長に限って、自らの言い分や指導内容までも講師に「委託する」のである。ところが、この小学校では管理職がその後の態度で「自らの学び」を職員に示すことが出来たとのこと。この喜びは授業研究以前の「感激」となる。
こんな感動の「お手紙」を受け取る度に、(講師)『冥利』に酔うのである。そろそろ止めようかな、と脳裏が揺らぎ始めるとこの『冥利』がその思考回路に立ちはだかるのである。その繰り返しで退職後の8年間が過ぎてしまった。新年が開けると9年目の年がやって来る。
 そんな年の瀬に、「もう一度、この小学校に行ってみたくなっちゃいました」との熱きエネルギーが燃え滾ってくる老脳の異常性を我ながら驚いている朝である。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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