2011/12/16

師走の風物詩(3)

~12月15日は『オレオレ詐欺』最悪の日~
 ラジオが伝えた「最悪の日」。なぜ?
 早朝のラジオで得る情報でしみじみ考えさせられることが多い。「俺の携帯電話番号が変わったから」「交通事故を起こして示談になって」等々の電話が親や祖父母に掛かってきたら「怪しい」と思わなくてはいけません!とアラームを発するアナウンサーの声を耳にしながらどうしても合点がいかないのはなぜだろうか。この手口が振り込め詐欺の常套手段らしい。わが子やわが孫と声が違うように感じた当該者が聞き直すと「風邪をひいている」と堂々と応えるらしい。それでその場の疑問は解決するようだ。この点でも合点がいかない。しかも、殆どが男声である。男の子の教育が間違っている??
 なぜ、ひっかかる?
 家族の人間関係すらも希薄になってしまったからなのか。ただそれだけでこの詐欺に引っかかってしまうのか。言うなりになってしまう親子関係・祖父母と孫の関係(わが身を引き締める)の長い経緯がそこには存在しているのではないだろうか。
 その後のラジオでは面白い情報があった。
 毎月15日なると、小学生(児童)たちが銀行の周りに張り付くところがあるというではないか。それは予防策の一つとして実施されるらしくかなりの効果を上げていると言うので思わず苦笑してしまった。苦笑しながらも、「子どもたちの目」が銀行にやってくるお年寄りに元気と勇気を与えるらしいとの証言を聴きながら、また考え込んでしまう。孫の数が少なくなった時代では、親以上に「甘さ」を露呈してしまう祖父母力の減退を感じてしまった。そして今、祖父母として存在するわが身の重要性を噛みしめている。
 ダメなものはダメ。良いことは良い。
 是非善悪をきちんと教え込まないと、孫たちが成長して立派な大人になれないではないか。クリスマスプレゼントやらお年玉とやらの掛け替えのない(子供にとって)イベントが年末年始に目白押しである。金額の高低を競わせるような親では子供は育たない。高額を授与する祖父母が価値があるような親の視線があるようではその子ども達の行く末は案じられる。貧乏のどん底は避けたいのは人情である。しかし、そのやむを得ない状況下で「耐える・堪える」心情を育むことが子育ての基礎基本ではないだろうか。
 師走の風物詩として取り上げるには「哀し過ぎる」最悪の日である。15日は年金の支給日であることもラジオの情報で再確認した。小生は正真正銘の年金受給者である。我が子やわが孫たちが、「お祖父ちゃん、あるいはお父さん・・・・・なのでお金が必要になって・・・」と、のたまうモノなら、この祖父ちゃんのカミナリが落ちるだろう。甘ったれるな!自分でしでかした失敗は自分の力で補え!!と。
 こんな祖父ちゃんは孫にとっては可愛くないお祖父ちゃんなんだろうな!(笑)。
 年賀状の受付が始まる師走の時期となった。大昔から存在する「年賀状」の意味をじっくり考えながら日ごろの「人間関係」の成り立ちに感謝するのも良いかも知れない。そんな16日の朝である。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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