歩禅記録 05:05~05:55【6500歩】
~「濃霧の朝」も、乙なモノ~
玄関先に先に出た妻が「すごい!」と声を発した。
何が凄いのかと、庭先に立った視野に周囲の家並みが霞みの中にある。街灯がほんのりと見えるだけの視界であった。早朝の5時は、足元もまだ暗い。昨日の朝に比べると今朝は若干温度が下がっているようだった。寒さに敏感な妻は一枚余分に羽織っていた。
読者の皆さんにご好評(?)の朝日の風景も、今朝はほんのりと空の雲に日の出の近いことを見るだけであった。沼の湖面も霧のために先が全く見えない。こんな自然界の風景も、(たまには)良いモンだ。そんな気分で歩きながら、散歩人と交わす言葉は、「凄い霧ですね」であった。
立ち止まって話し出した犬連れの老婦人は、昨年の暮れに当地に引っ越して来られたとの自己紹介だった。こちらも昨年の震災直後の引っ越しを伝えると親近感を持たれたらしく話が長引きそうになった。限の良い所で「話の腰を折って」離れた。周回コースなのでまた、会うことを考え苦笑しながら歩き始めた。
ススキの穂の群生を見つけた。お月見用のススキは昨日、準備したので今朝は写真に収めるだけだった。カメラを向けている夫に、「100円で売っていたわよ」と妻が声を掛けた。農協直売店でのことらしい。こんなに豊富にある当地でも「ススキの穂」が売られていることが何とも奇怪な感じがしてならない。
約1時間の歩禅で帰宅する直前の田んぼの向こうに太陽が昇って来た。
途端に眠っていた町が目を覚ますような気分になった。帰宅すると母屋のベランダには洗濯物が干してあった。嫁も今日は何か予定でもあるのだろう。
朝食のテーブルには昨日買い求めた地産のナシがある。食して美味に舌鼓を打つ。台風が近づいているらしい。被害の、より少ないことを祈るばかりだ。