2012/09/26

「電車の旅」で考える

 ~片道2時間半の電車の旅の『疲労度』とは?~

 前日が片道3時間の乗車時間だったので計6時間、そして昨日は片道2時間半の乗車時間で5時間と(計算上では)なり、2日間で11時間も車中の人となった。疲労は単純な時間だけで嵩むものではなさそうである。

 昨日は隔週で通う鍼診療の日であった。乗り換えが3回であることには老体も馴れている。鍼診療もその都度の感度があり診療を終えたから元気ピンピンになる事ばかりではい。薬や注射のように即効性が無い分だけ自己制御が必要となるので帰路が却って厳しくなってしまう時もある。もう12年も通っている診療所なので鍼診療への反応が疲労度に連なることは全くない。疲労感度は、電車内の乗客のマナー等に左右されることに気付いた。

乗車して立っていると、席を譲っていただく「より若い」層の人たちの心遣いに老妻は感謝することが多い。白髪の老妻は「より老けて」見えるのだろうか、と苦笑しつつも、腰痛のために通院している彼女には長時間の立ち姿勢が堪えるのである。遠慮する老妻を促してご厚意を受けるようにさせることもある。座らせていただいた老妻の正面前に立つ小生にまでも、譲り合って座れるようにしていただくことも多くなった。敬老の精神に感謝して辞退せずに恩恵を受けることにしている。そういう気配りを避けるべく、シルバーシートに座席を取るようにしている。

 そのシルバーシートで心が萎えるような事態を、昨日は直視してしまった。

正面のシルバーシートに1人分の席が空いていた。年齢は明らかに20代以下の青年が乗車するなりその席を陣取った。青年の隣の席は老夫人である。次の駅でその老婦人の友人らしき人が乗車され、その老婦人の前に立たれた。青年は目を閉じた。老婦人より高齢者らしい連れの女性と替わって席を譲られた。次の駅で小生夫婦の隣の席が空いた。入れ替わりに杖を突いた老紳士とその奥様らしい老女が乗車された。友人に席を譲って立っている老女が、その光景を見て青年に声を掛けた様子だった。恐らく「席を譲って貰えないか」程度の示唆をされたのではないか。寝たふりで聞こえない状態で立とうとしない。小生が座席を立った。妻を横移動させて高齢者夫婦の座席を確保した。恐縮される奥様の言葉を遮るために同一車両の中央部まで移動した。遠くになっても寝たままの青年の姿は見える。幾つかの駅を過ぎて青年が降りたらしい。友人同士の老婦人の一人が小生を呼びに動いて来られた。青年の席に座った小生に向かって正面の奥様が何度も頭を下げられ、大げさな行為ではなかったかと少々恥ずかしくなった。青年の無神経さに疲労感を覚えた。

小生の疲労感度が極致に達したのは車内放送だった。「ご乗車有難うございました。車内マナーにご協力をいただきまして有難うございました。・・・・」。車掌のナマの声だから余計に腹立たしい。機械音なら良いと言う訳ではないが、社員としての研修の成果が上手な顧客対応に繋がっているというのはお門違いである。一軒の家や1つの会社の教育の問題ではない。ましてや、教育機関のみが背負う課題でもない。

国家百年の計は国民の教育にあり。

自国の国民が誇れる国家を創るためにも、幼児時期から青少年期にかけての「教育の在り方」を真剣に考えないと国家は滅亡するのではないだろうか。これって、やっぱり老婆(爺)心?
 
歩禅記録 16:10~16:50【4300歩】
早朝歩禅のタイミングが狂いました。それは急な冷え込みと気象状況の不安定さからです。今日は、幾つかの用務を済ませるために、久しぶりに夕暮れの街中を歩いて来ました。自宅の裏には陸稲がすっかり実って「首を垂れる」状況になっていました。水稲ではなく陸稲を見ることが出来るのも嬉しいモノです。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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