2011/09/20

孫の「宿題」にはまり込んだ祖父ちゃん


 ~おじいちゃん達の時代の生活を調べよう~

 他人事のように感じて過ごしている「昔の生活」という世界を、孫の直撃インタビューで抉られた。隣で聞いていた老妻も興味深げに仲間入りをする。「大昔・・・」と言う言葉が何回か飛び出したので老夫婦は目を合わせては苦笑いであった。

 鉛筆削りは日常品。

 ナイフ(写真版)、正式には『肥後守』という小型ナイフである。保管している実物のナイフを取り出して実際に鉛筆を削って見せた。孫の反応は速かった。「やってみたい!」との一声に、怪我でもさせてはいけないと老妻が心配そうに歩み寄るが、孫は迷惑そうである。そこで、危険なポイントだけ指示して実技に入った(笑)。案外、上手く削ることが出来たので祖母ちゃんが褒めると、立て続けに3本の鉛筆を削り終えて満足そうであった。その孫が、「お祖父ちゃんが削った鉛筆は機械で削ったのより書きやすいよ」と褒め返すではないか(笑)。少年時代に鉛筆削り名人を競って一回もチャンピオンになれなかった祖父ちゃんの過去をばらしても孫は、でも上手いなぁ~と褒めちぎってくれた。

 いつの間にか姿を消した老妻が「洗濯板」を持参して登場した。孫が、「変わったまな板だね」と言いながら大根おろし器のお化けかと思った、と付け足した時点では爺婆は大声で笑ってしまった。話はいつか「大昔」(笑)の時代絵巻を広げてしまうほど、現代っ子の生活から道具がかけ離れてしまっているのに驚きの連続となった。

 友達にも聞かせたい、との要望に応じると電話一本で数名が駆け付けてきた。今日は彼らにとっては最も退屈な運動会の「代休日」であったのだ。質問攻めに合いながらも笑顔で答える祖父ちゃんはすっかり、「孫の宿題にはまった」そのものであった。疲れましたが楽しくもありました。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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