2012/02/07

広島も寒かった!(2)


 ~授業の命は「子どもたちの視線と姿勢」~
 2月3日 広島市立庚午小学校・5年生英語授業(午前)~(午後)広島市立石内小学校公開研究会 
 子どもたちの視線は、「やっぱり良い!」。真剣な眼差しで向かい合う5年生の姿勢は「昔・せんせい」だったと言う持病が蘇ってくる(笑)。小学校での「英語学習」が本年度から本格実施されている。この学級でも担任の先生が苦労しているのだろう、と良く考えることがある。専門家としては同情こそすれ、批判や非難など全くない。教員稼業の宿命とは言え、拷問に等しい教育課程の新設ではないだろうか。
 「シャーペンて、英語では何と言うの?」を発端に、ホッチキスは?セロテープは?と矢継ぎ早に授業を流すのであるが、全く抵抗なく授業にのめり込んでくる姿勢には無者振いさえ覚える。学級経営がうまく出来ている証拠である。以前、授業観察した学級とは思えないほどの成長ぶりに担任教師のご苦労が偲ばれるほどだった。
 給食を戴いて校長先生に午後の会場校までお送りいただいた。
 新藤兼人氏(映画監督)の母校である。特設された部屋には母校への訪問の折りに書かれた色紙もある。大ファンだった小生には思いがけない天の恵みとも言える訪問校である。この小学校に指導訪問を開始してもう7年になるようだ。公開研究会への出講も6回だと紹介があった。と言うことは6年生が1年生の時点からの訪問である。全部の授業を巡視しながらも、6年生の授業・『言語・数理運用科』(=広島市独自版:教育課程)には見入ってしまった。そこには確かに「故郷・いしうち」を意識させる話題が真剣に交わされていた。子どもたちの学習姿勢は授業の命だ!
 広島市教委が発案した『言語・数理運用科』という学習領域には、昨年度のこの石内小学校の公開研究会でも「足が止まって」しまったことを思い出した。それにしても6年前の幼児に近かった児童が、地域の皆さんに見守られながら「話し合い」に興じる地点まで成長したことは感動でしか語れない。先生たち努力と地域の協力体制の素晴らしを実感した。偉大な映画監督が「自らの故郷」を舞台にして映画を製作された「望郷の念」が脈々と息衝いていることを現代の子どもたちが実証してくれている。この単元づくりに、もうひと肌脱いで全校体制で取り組んでもらえたら、「来年も行きたくなる」のだろうとほくそ笑んでしまった。【つづく】

0 件のコメント:

コメントを投稿

自己紹介

自分の写真
1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

フォロワー