~あの厳しい指導に感謝?~
夏休み中の朝6時。
実家からは数分で行ける分校の運動場。眠気が妨害して遠く感じた少年の日。3年生から本校に通い始めて大運動会(と、呼称されていた)の練習が始まると「定番」はメロディに合わせての(ラジオ)体操の指導に耐える事だった。屈伸や跳躍や回転等々の厳しい練習が「これでもか!」と延々と続いたことが浮かんでくる。
なぜ、今日のブログの話題が「ラジオ体操」なのか?
「ラジオ体操」を意識して体操を開始してから10日間が過ぎた。6時半になるとNHKラジオのチューナーを第1から第2に回す。♪♪新しい朝が来た 希望の朝だ・・・♪♪ の昔と同じに溌剌とした歌声が耳に入る。ラ・ジ・オ・た・い・そ・~だ・い・い・ち・・ との掛け声を合図に狭い我が家の「私設・老人ホーム」入居者2名はぶつからないような距離を保って体操を始める。50年以上も前の「動き」が何の抵抗もなく手足に伝わっている。身体が覚えている!不思議だ!!ホントに不思議に思いつつ頑張っている。
そして、その違いに老体が気づく。そして少々落胆もする。
哀しくもなるが現実として認めながら体操に挑戦である。妻の膝痛が原因でこのラジオ体操への挑戦となった。歩くことを続けてきた夫婦であるが膝や腰が痛むと歩くどころではないようだ。寒冷地の低温は身体の弱い部分を教えてくれた。膝に痛みを発したようである。しかし、気温が上がると「歩ける」気にもなるらしい。先日の東京・亀戸天神の境内は春陽だったので気持ちよく歩いていた妻の姿も確認できた。もう少しの辛抱である。
ラジオ体操に取り組みながら、「こんなにまで老化が」と痛感する日々である。現状に無理をせずに「続ける」ことを心に銘じて続けてみよう、と妻を励ましながらも早や10日間が過ぎた。二人の会話は「あの頃の先生の指導は厳しかったね」と盛り上がる。そして「感謝する」気持ちでいつも会話が終わる。先生方の指導に応じようと懸命に足腰を動かして褒められるまで頑張ることが出来た日々はもう戻らないが、その教えを50年経っても全身が覚えている。教育の偉大さを噛み締めながらこれからも無理なく続けてみよう。「鉄は熱いうちに打て」の魂を学校教育でも大事に育てて欲しいモノである。
温かい春の訪れを待ちながら今朝も「ラジオ体操」に挑戦する。
全国の校長先生方へ依頼した「調査・考察」が届き始めたので、そろそろ原稿の執筆を始めなくてはならない。確定申告も本気に取り組まなければなるまい。東京で開催されるフォーラムにも出向したい。結構忙しい。ラジオ体操で血液の循環に勢いを付けて今日も頑張ることにしましょうか!!
読者の皆さんも、いかがですか、ラジオ体操仲間に入りませんか??
歩禅とは、『安岡正篤 人生を拓く』(神渡良平 著 講談社+α新書)で拾った言霊です。千葉県で早朝ウォーキングを長年実践しておられる方の言葉として紹介されていました。沈思黙考の「坐禅」に呼応するものだそうです。ふと読み留まったのは我が愚脳にも大きな電撃が走ったからなのです。歩きながら自然界に身を委ね、自然界に畏敬の念を抱き、そして自然界に語りかけることのできる自分を見いだすこと。これを「歩禅」と利己的に理解しました。坐禅が苦手な私には「静かに座して己と語る」ことに替わるべく言葉として受容できる気になったのです。だから私には単なる言葉としてではなく、『言霊』(ことだま)となったのです。 平成16(2004)年10月20日 還暦に記す ~以降「散歩日記」を歩禅記として継続発信中~
自己紹介
- 角田明
- 1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。
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