2012/08/19

習字と作文


 ~「孫の宿題」にアシスト~

 作文も習字も教科的評価は高くは無いが、長期休業中の宿題としては課しやすい。元・中学校教員とは言え、この課題とは全く無縁であった。この領域は『国語科』に属するモノであって当方が担当した教科には一見関係ないように思えるが大きな影響力のある指導内容である。

 双方とも「日本語を書く」という点から考えれば、当方が携わった『外国語(=英語)』の指導とも密接に連動する。「英作文」と表現されると中学校以上の学校教育を受けた日本人には苦手極まりない領域であったのでは?

 母屋の共働きの両親は、土日しか在宅しない。6週間ばかりの夏季休業も折り返し地点の様だ。母屋の雰囲気もお盆休暇が終わると一変する。子どもの「夏休みの宿題の点検」が始まる。ピーンと張りつめた「母屋」の雰囲気が伝わってきて、ホッとするのは「離れ」の爺婆である。

 保護者(長男夫婦)の方針で、「学習への積極的な干渉」はしないようになっている。祖父ちゃんとしてはこの方針は大助かりである。孫たちからの積極的なアプローチが無い限りこちらから手出しをしないで良いからである。母屋に発生したミニ低気圧はやがて台風似の威力になって離れに飛び火して来る。習字と作文を「お祖父ちゃんとお祖母ちゃん」の手助けで近日中に仕上げるようにと指示が降りたようだ。二人の小学生たちが雁首を並べて「お願いします」と言いにやって来た。「いいよ」と祖父母の快諾(笑)を得て母屋に戻って行った。

 教育課程での「習字」の時間数と、社会に出てからのその効用のアンバランスが日本の学校教育では、今でも是正されない。『書道』という精神修養も期待されるほど貴重な寺子屋式「学び」を学校教育外の「書道教室(塾)」に月謝を払って通わせている。学校の宿題に対応するための塾通いであるとすれば経済的な保障が無い家庭では全く放置されてしまう。

 退職してからの要請業務で「教員採用試験」の受験要項にある「小論文」作成に関する講座に出講している。つまり「論・作文」の書き方を指導するのである。もう、3期を終えた。受講生には添削指導もする。小学生程度の作文しか書けない「先生の卵たち」が毎年数名は確実に存在する。二十歳を過ぎた列記としたオトナに作文指導をするのは厳しい。作文力の基本は読書である。さらにその基礎は小学生時代の国語の授業である。字も読めない幼児が兄や姉の教科書をすらすら読めた風景を思い出したい。教科書の音読指導を(暗記するほど)徹底して欲しい。教科書ほど精選された多種多様な文章が掲載されている教材は無いことを小学校の教師は再確認して欲しい。そして、日記を綴らせる習慣を学校教育でも再考すべきだと考えている。来週は孫のアシストに汗をかきましょうか(笑)。

早朝歩禅 04:30~05:25【6500歩】
約20日ぶりに妻の同伴。親しくなった散歩人たちからも「久しぶりですね」の声を掛けられる。すっかり地域人の仲間入りです。今日は良い天気になりそうな予感。我が家の緑のカーテンも沢山の朝顔が花を付けていました。隣接する栗林は昨日、草が刈り取られて朝陽を十分に受け入れています。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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