2012/08/20

早朝歩禅の記(10)


 ~対話歩禅は(無意識の)時短~
 04:30~05:25【6300歩】 
 
 昨朝から復活した妻同伴の早朝歩禅では、20日ばかりの空白があり50分間を歩けるかどうかの危惧があり対話も途切れがちだった。特段の支障は無いことはわかっていても、帰国後の「時差」と闘っている老妻の姿を見ると「こ1時間」を歩き通すことを強いるには躊躇もあった。

 昨日の歩調を観察しながらOKの判断をした。

 4時半の出発時刻に合わせての準備時間にも余裕を持たせた。水分を摂りたがらない日常生活にも改変を要求しながら体調管理を注視して来たので、起床後の「コップ1杯の水」も、今朝は美味しく飲めたからである。従って、復活OKの宣言後2日目は満を持しての出発となった。

 ヒンヤリと秋の空気が肌に心地よい朝である。

 対話の最初の言葉は、「やっぱり茅ヶ崎より秋が早いのかもしれない」だった。半そで短パンの服装もそろそろ長袖・長ズボンにするようかな、と考えつつ歩き始める。今朝は多くの散歩人とすれ違う。

 「お帰りなさい、奥さん」と、声を掛けてくれたのは孫同士が友だちであるお祖父ちゃんなのだ。驚いた妻は答えに窮したようだった。20日間の歩禅の様子を話すことにした。「奥さんはどうしたの?」「病気ですか?」「この暑さに負けたのかな?」等々の会話があったことから情報として話をしながら歩いていると、その後も行き交う人たちから沢山の声掛けが続いた。

 いつも二人で歩いていたのが急に一人になって、しかも20日間もその状態が続けば聞きたくもなるモノだろうと解釈も加えた。そして、何人かの人には「アメリカに行ってるんです」から「帰国しましたが体調不良で」の対話が交わされている近況まで説明をした頃には、もうすれ違う散歩人はなかった。

 有難いことである。「散歩をする」という行動だけの繋がりでも、温もりのある声掛けが成立するではないか。消極的で、どちらかと言うと人との接触を避けたがる老妻も、当地の人たちの温かい心意気が通じたようだ。

 対照的な夫は、見ず知らずの他人でも平気で話しかける性格である。同行する妻によく聞かれることがある。「今の人、知ってる人?」と。解答はシンプルである。「いや、知らない人だよ」と。(笑)

 そんな早朝の貴重な時間を共有する歩禅は、足腰が耐えられる限り続行しようと話しながら帰宅した。太陽が東の空に顔を出す時間も遅くなっている。時計を見たら5時5分だった。どんどん遅くなると本格的な季節の移行である。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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