~下車駅を電車が動き出した瞬間気づく??~
もう、何年前だったか?記憶にも薄いが思い出してみたくなった。
現役バリバリの若い頃、横浜で大学時代の友人と呑んで湘南電車で帰路に着いた。気が付いたら熱海駅だった。熱海駅は下車駅から1時間も要する距離にあるのだが熟睡(笑)のために気づかなかったようだ。終点だ、と車掌さんに起されて(=起こしていただいて)、折り返しになる電車で再度の帰路に着いた。平塚駅で目が覚めてホッとしてまた眠ったらしく、今度は藤沢駅まで「乗り越して」来てしまった。反対側に到着した電車に飛び乗ってやっと「目的地」の駅で下車した。すっかり酔いが覚めたらしく、美酒の酔いが自己嫌悪の「悪酔い」に変わっていた。更に相模線に乗り換えて無事(笑)に、何事も無かったような顔で自宅へのご帰還を果たした。暫くはこの話題には触れることも出来なかった。行政勤務の折り、宴会の盛り上がりの中で後輩諸氏から後日談としての失敗談が面白おかしく披露され、閉じ込めていた醜態を公言した。受けに受けた!≪苦笑≫
そして昨日のこと。
何十年ぶりの「乗り越し事件」を起こしてしまった。経験者にはご理解できるだろうが、不思議と「下車駅」を電車が発車した瞬間に目が覚めるのだ。飛んでいく景色を車窓から見詰めながら慌てるのである。昨日は「若かりし日」の再現だった。乗り越した隣駅に降り立った。何とも言えない自己嫌悪と恥じらいが同居してホームのベンチに座り込んでしまった。都会の駅と違い、ホームには小生の他に1人しか居ない。痛いほどの猛暑の陽射しが心にも痛い。運よく(笑)、10分間も待たない時間で上りの上野駅行きが入線した。飛び乗る必要もないのに慌てて乗り込む老体が、我ながら可笑しい。記憶が薄くなってしまった光景とは雲泥の差があった。それは、小生を知る人はこの駅には誰もいないことだった(笑)。
帰宅した家には誰もいない。孫たちは近くの友人宅に行っていたようだ。程なく帰宅して「お祖父ちゃんお帰りなさい」と近寄って来て、悪夢(?)は現実の幸福社会に引き戻された。夕食の時間にその話題を展開する祖父ちゃんの姿がその証である。嫁が大笑いしながら「お義父さんでも、そんな事があるんですか?」と言葉を発した。何年も封印した同一事件の経験を、高齢者ともなると即時公開するところが人生感度の鈍さも証明しているのだろうか(笑)。
やっぱり疲れておられたんですよ、お爺さん!
そんな温かい「天の声」が聞こえてきた気がして9時前には寝てしまった。2時半ごろに「ラジオの喧騒」で目が覚めた。ロンドンオリンピックで女子サッカーが勝利をしたようだ。「歴史は変わりました!」との絶叫を聞きながら天井を眺めて、「そうだね、確かに我が人生の歴史も変わりましたね」と失笑して飛び起きた。
早朝歩禅 04:30~05:25【6080歩】
朝陽が出る前の蓮田。たくさんの蓮の花が咲き始めている。お気に入りスポットから筑波山が見えると上機嫌になる。帰宅した我が家の庭先の光景が日の出の時刻が遅くなった証明書。
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