9時に開業する駅前郵便局まで、先ず「歩く」ことから行為が始まる。駅前郵便局までは歩いても10分は要しない。高齢者には適度な運動量(笑)。転居したばかりの頃、「お祖父ちゃんは郵便局までお散歩」と孫たちは言っていたそうだ。郵政民営化で、最も生活に密着しているような山あいの小さな郵便局が廃業になったとの情報を得て愕然としたものだった。我々夫婦も郵便局業務には「負んぶに抱っこ」の現状である事実を考えると胸が痛む。
老妻を『歩禅』に駆り出すには条件が必要だ。冷たい風が吹かない頃合いを見計らうことである。早めの昼食を済ませて12時半ごろ陽射しと弱風を推して誘導に成功した(笑)。
歩き始めて5分過ぎた頃、前方から2台の自転車がこちらに向かって来た。孫のお友達のお祖父ちゃん・お祖母ちゃんの二人サイクリングのようだった。年頭の挨拶を交わしながらすれ違い、広大な田圃が広がる場所に出た。
住宅地とは違い、ここは全くの無風と言う訳にはいかない。しかし、微風である。しかし、冷たいのも確かだ!襟首のマフラーを締め直す老妻を横目にしながらも「30分の早歩き」の効能をTV画面で一緒に見ている老妻は、意識的に歩調を上げているようで心地よい。
我々は二人とも九州の田舎出身者である。
この田園地帯の「空気」には、幼い日々の思い出を彷彿とさせるモノがある。心が和む魅力がある。そして対話も弾む。全く知らない人からの葉書の話題になった。送信者は熊本市に住所がある方であった。老妻の従妹に出した年賀状が届いていない。送信者はこの従妹と苗字が同じで、名前も一文字違い。住所が「熊本市西区一丁目」まで同じである。郵便番号まで同一なので「誤配」されたと判断できた。
届いた葉書は「寒中見舞い」であったのが注目の的になった。朝一番に老妻が電話を入れる。従妹が「年賀状は届いていない」と明言した。しかし、こちらから送った年賀状への「お礼の言葉」を添えて喪中であったとの詫び状として寒中見舞いの葉書を投函された先方の信条が解せない。見ず知らずの人から年賀状が届いたら返事を書く前に誤配の手配をしないのだろうか?
他愛のない話題ではあるが、やっぱり奇妙な心情になる。対話で歩禅を済ませ帰宅してから葉書を書いた。誤配なので郵便局に戻していただく要請をした。届いた寒中見舞いの葉書の処理もご要望を確認させていただく文面にして投函した。完全な個人情報があるので先方への配慮も考えた。
30分間の早歩き。すっきり感で帰宅できた歩禅、大成功!!
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