2013/01/16

「ヒト」は成長する動物である

 ~「5歳の抵抗」に感謝!~

 土浦市の朝は朝陽に反射して眩しい。

銀世界は凍結のままで朝が明けたようだ。前日に小学校から連絡網が回って来ていた。老妻の携帯電話が鳴っていたが、その内容だった。共働きの家庭では留守番役の祖父母にも一報が入る。1分もかからずに全校児童の家庭に「学校からの通報」が届く。現職時代には考えられなかった手段である。利器を上手に使いこなすことには大賛成である。

 2時間遅れの登校となった小学生のお兄ちゃんたち。ミニサッカー場である庭は雪が積もったままのアイスバーン状態になっている。登校時間にゆとりが生じた小学生がブーツのままで滑りながら雪投げ合戦を始めた。1軒隣の今春小学校に入学するらしい男児も加わって楽しそうだった。

 我が家の5歳児も我慢できずに仲間に加わって朝から元気な子どもの声が轟いた。絵になる光景に、爺はデジカメを向けた。いつもと違い、お兄ちゃんたちより早い時間の出立となってしまった5歳児(保育園児)に異変が起きた(笑)。登園拒否である。母親とお祖母ちゃんが説得(?)しているようだが、「我儘の通る」育ちには「梃子の応用」も効かない。喧嘩別れの体で母親は祖父母に我が子を委ねて出勤して行った。

 取り残されてもマイペースで雪遊びを続ける5歳児に「反抗期」を診た。

 幼児に捨て台詞を吐いて出勤した母親が凍結道路で事故にでも遭っては、と案じた。目の前の5歳児は明らかに成長を著わす反抗期の言動である。お祖父ちゃんにはほのぼのとした光景に映った。昼寝もいつものように素直にお祖母ちゃんの言う事を聴いていない。そのまま室内で遊び通していたようだ。「TVとゲーム機だけは使用させないで」、との母親の伝言を「育ての親(笑)」は忠実に守ることによって5歳児に抵抗できるのが楽しい。終日、全く日常生活の遊具(=「DVD+ゲーム機」)に触れることなく「反抗」してくれた。ついに母親が帰宅する寸前に眠ってしまった。寝顔を見ながら祖父母は目で語り合った。

 5歳児の「反抗期的行動」にヒトとしての成長を感じたからである。

こんな光景は、「親業」時代には決してほのぼのとした心情として映っていなかったことを思い出したからでもある。次世代ではなく次々世代への思いには、隔世感情があって冷静になれる。祖父母力がこんな所で発揮できる!!。そんな機会を産み出してくれた「5歳児の反抗期的行動」に感謝しながら、今朝の行動を見守ることにしようか!! (05:00書き込み)

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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