2012/04/12

「120411購入」という文字文化

~プリンターの購入日~
 「もう、これが最後だと思うよ」、とパソコンを買ったのが7年前のこと。「もう、プリンターも買い替えることはないだろうな」、と妻に言いながら購入したのが5年前だったようだ。プリンターの横に貼ってある私製の『070819購入』ラベルが時の流れを実証している。
 妻はこの種の『ラベル』で育てられたのかも知れない。
義母の文字が妻の実家の屋内のありとあらゆる物品に書き残されていた。義母の几帳面さだけが気になって確かな理由も無く受け入れられない文化として共生して来た。人生哲学も変容していることに気付き始めたのがここ数年である。記憶を辿るとその不鮮明さに、加齢を痛感することが多く不愉快に陥ると、打開策を考えるのに悪足掻きをするモノである。「日付を記す」ことの昔流の生きざまに辿り着いたのも加齢の為す業なのかも知れない。
 我が家に今度こそホントに「最後になる」(笑)プリンターが届いた。
 何の抵抗も無く新品のプリンターに『120411購入』と書き込んだ。ラベルに書き込んで貼ることもなく、直に書き込んだ。妻は黙って見ていただけだった。夫が母親の文化を受け入れた、等と深く考える妻ではないが、受け入れるどころか喜んで伝承しようとしている小生はやはり能天気者か?
 日に日に、「忘れる」ことが日常的になっている生活は決して気分のいいものではない。しかし、日付が明記されていることでホッとする。決して記憶が完璧に復元されるわけではないが、精神安定の拠り所になることは確かである。パソコンでの事務処理でも気づかされた。それは、パソコンと言う天才器物は、使用日時が自動的に時計に刻まれているのである。従って、整理する上でも「日付」を文書名のトップに記入しておけば放っておいても並べ直してくれる。指定さえすれば遅い(古い)順にも並べ替えてくれる。
 新プリンターにご厄介になってもう一息お仕事をさせてもらいましょう。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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