~武蔵野平野を一周する~
常磐線~山手線~東海道線~相模線~横浜線~中央線~総武線~山手線~常磐線、と列記するだけで気が遠くなるほどの電車の旅が今日のスケジュールである。茅ヶ崎駅までの往路は、葬儀に参列するためである。開始時刻が9時30分との連絡を受け、従来の予定(定期鍼診療)を断念することも無いことに安堵する。特に関係の深い卒業生の実父の告別式であるので、公務と判断しても差し支えあるまい。卒業生の全ての親御さんの悲報に対応することは出来ないが今日の場合は参列しなければなるまいと判断した。
会場の茅ヶ崎からは相模線に乗って終点(橋本駅)まで1時間少々。そこで八王子駅行きの横浜線で隣の駅で下車して、診療所まで15分の徒歩。今日は妻が先に診療を受けているので後半での診療となる。診療時刻は13:00~15:00までの予約である、終えて再び横浜線に乗って八王子駅へ。そこからは上述した行程で電車の旅である。
開業間近のスカイツリーが634メートル。高さの語呂合わせが『ムサシ』だそうだ。東京辺りは、昔、武蔵野と呼ばれていたらしい。そんな武蔵野平野を一周することになる本日の公私入り混じった日程である。
未だ雨戸を開けていないので天候は読めないが、何とか降雨は避けられそうだ。喪服を着て長時間移動するのは心身ともに疲れる。先着する妻の背負うリュックには着替え用の普段着を詰め込んでおいた。
こんな日もある?
いや、告別式がかなり早い時間に特設されたことが私的予定もキャンセルせずに済んだことを寧ろ感謝する。心を込めて務めを果たすことが出来る。故人の優しさと偲んでしまう。卒業生の進路に関する対話も浮かんでくる。息子の将来を夢見ながらも決して強要することも無く、優しく見守る父親の姿勢には学ぶことが多かった。その卒業生も仕事を終えて広島から既に茅ヶ崎の生家に帰っている。故人のご冥福を祈るばかりである。行ってまいります!
歩禅とは、『安岡正篤 人生を拓く』(神渡良平 著 講談社+α新書)で拾った言霊です。千葉県で早朝ウォーキングを長年実践しておられる方の言葉として紹介されていました。沈思黙考の「坐禅」に呼応するものだそうです。ふと読み留まったのは我が愚脳にも大きな電撃が走ったからなのです。歩きながら自然界に身を委ね、自然界に畏敬の念を抱き、そして自然界に語りかけることのできる自分を見いだすこと。これを「歩禅」と利己的に理解しました。坐禅が苦手な私には「静かに座して己と語る」ことに替わるべく言葉として受容できる気になったのです。だから私には単なる言葉としてではなく、『言霊』(ことだま)となったのです。 平成16(2004)年10月20日 還暦に記す ~以降「散歩日記」を歩禅記として継続発信中~
自己紹介
- 角田明
- 1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。
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