2012/01/19

孫の「宿題」にはまり込んだ祖父ちゃん(2)


 ~この時期の天体観測は寒行?~
 色々と苦手があるが、「学習領域」で言えば理科が最も苦手な学問である。

 未だに星座のことなど全く興味がない。だから、わからない。孫が午後7時と9時に天体観測をする、と申し出た。宿題のようである。皮肉にも今夜は息子夫婦はお通夜で外出の予定である。与えられた用紙に記入するらしく寒い庭先で悪戦苦闘が始まった。
 久しぶりに真上を見上げた夜空は神秘的であった。

 茅ヶ崎市出身の宇宙飛行士・ン野口聡一氏は、中学時代に学校の屋上で見上げた冬の夜空から自分の夢を描いたとのエピソードを聞いたことを思い出した。祖父ちゃんと一緒に勉強などした経験のない小生は、支援できない情け無さも手伝い小4の孫の申し出に躊躇してしまった。学校で学習を済ませている孫の講釈を「わからないまま」に聞き流す祖父ちゃんは、孫が風邪ひかないようにだけ気遣いするのが精一杯であった。内心は「早く終わらないと風邪ひいちゃうぞ」の思いでの学習のお付き合いだった。終了後(笑)はホッとして孫と一緒の浴槽の中。興奮状態で「学び」を語り続けた。孫の講釈の中に登場した「オリオン座」という言葉が残像となって、一人残った浴室で口をついて出た歌詞が次の通りである。合衆国のヘイスという作曲家の作品であることを初めて知った。

 ほのぼの明かりて 流るる銀河 オリオン舞い立ち スバルはさざめく 無窮をゆびさす 北斗の針と きらめき揺れつつ 星座はめぐる

 Won't you tell me, Mollie darling,/That you love none else but me?/For I love you, Mollie darling,/You are all the world to me./O! tell me, darling, that you love me,/Put your little hand in mine,/Take my heart, sweet Mollie darling,/Say that you will give me thine.

 下の段の英語の詩が作曲に伴った原詩のようだ。小学唱歌として習った歌が、50年もの歳月が流れて老脳を刺激していると考えると不思議な心境となった。曽祖父~祖父母~父母~子ども~孫~曾孫~・・・と、底知れぬ「人脈」が滞ることなく続いていることを実感せざるを得なかったからである。
 宇都宮市のお通夜から帰って来た長男夫婦が迎えに離れにやって来た。風呂上がりの真っ赤な頬で「おやすみなさい」の孫たちの声で今日の爺ちゃんの「動顚の巻」の幕が下りた。布団に入った祖父ちゃんの脳裏を、


 木枯らしとだえて さゆる空より 地上に降りしく 奇(くす)しき光よ ものみないこえる しじまの中に きらめき揺れつつ 星座はめぐる 

 この歌詞が音符を付けて駆け巡ったが良い子守唄(爺守り歌?)となったようだ。やっぱり比べたら、理科より音楽が得意だった!(笑)

0 件のコメント:

コメントを投稿

自己紹介

自分の写真
1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

フォロワー