物書きが本職ではないので、何かを主題にして書いて話題提供は無理です。
それでも、「お母さん」「おふくろ」という単語を並べて書くと、全国からの反応が「判で押した」ように手元に届きます。「お父さん」「おやじ」を題材にした時の反響は比になりません。
そりゃぁ、そうですよ。10月(とつき)10日(とうか)の長時間を一心同体の生活をしている仲ですモンね。親父なんて、そんな母体の苦痛や苦難を(知ったフリだけで)何もわかってないんですからね。
こんな独り言は、「おふくろ」には決して勝てない「おやじ」の立場の弁明です。下記のような記事が目に留まりました。先日のブログ(新聞記事)に登載した詐欺の名称の件に関する新聞のコラムです。上手く書かれるモノですね。
天 声 人 語 2013・5・14
交通事故に遭って顔中を包帯で巻いた「息子」を、母親は5ヵ月も看病した。それが、包帯を取ると赤の他人だった。「お前息子じゃなかったの」という記事が40年前の本紙に載っている
▼ニセ者は音信不通だった息子の免許証を持っていて、病室で「母ちゃん」と呼んで甘えたそうだ。母親は「やっと会えたという気持ちでいっぱいで、まさか他人とは思わなかった」と警察に話した、と記事は伝えている
▼〈母親はもったいないがだましよい〉と江戸川柳にある。お金の無心、放蕩の言い訳-。もっともこれは本当の息子の不心得で、ひとさまの母堂をペテンにかけるのとは違う。昨今の「振り込め詐欺」は、どこかしんみりさせられる40年前の奇談よりずっと悪質で、救いがない
▼そんな犯罪を「母さん助けて詐欺」とは優しすぎる気もするが、関心を高める効果に期待したい。多様化するばかりの手口に「振り込め」では追いつかないと、警視庁が公募して選び、母の日に発表した
▼被害額は全国で1日あたり4千万円を超える。詐欺集団は手を替え品を替え、何枚もある舌の先を研いで、もったいない親心を食い物にする。だます手合いにも、母親はあろうものを
▼〈母という字を書いてごらんなさい やさしいように見えて むづかしい字です 恰好のとれない字です やせすぎたり 太りすぎたり ゆがんだり 泣きくづれたり……〉サトウハチロー。詐欺師たちよ、まっさらな紙に、母という字を書いてみるがいい。
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