2012/03/17

発想の基準と想定外の進展

~「笑い話」になる展開~
 我ながら感心する。
 それは自らに潜んでいる「短絡的思考回路」の存在に気付いた当人のことである。単なる「思い込み」ではない。書斎を片づける→不要な書物を処分する。この回路は意識の中で生きているが現実の行動には今まで結びついたことは無い。書物を処分するのは「廃棄する」ことしか無く、「どこで、どのように」廃棄するのかは限定されていた。つまり、公共のごみ処理場に運び込んで一度で処理する以外に考えたことも無い。
 愚息に強制的に連れ込まれて「ブックオフ」という業界を知った。
 そこで、大事にしていた(捨てる機会を逸した?)書物が、「一気に日の目を見た」という発想の基準に気づかされた。捨て去るのではなく「有効活用」されて、更に店内での展示販売も許諾を要請され「買い取られた」文化として理解した。まさにカルチャーショックであった。ショック療法を受けた効能とは、こんな症状になる?(笑)
 昨日も時間が空けば物置の中に居た。段ボールに入ったまま1年間放置された書物の紐を切り空気を通しながら「この子たちにもやっと日の目が・・」と爺の呟きを掛けながら片付けが捗ったのだ。笑えるじゃありませんか?同時に、ゴミ焼却場に捨ててきた書物に対して申し訳なく思い始めているのだから。短絡的思考回路の持ち主には当人も呆れ返る程の変容だ。
 少年の日の夢。
 自分で購入した「ほん」の中に埋もれながら読書が出来る部屋を造る。
その夢を果たした少年の次の課題は大事にし過ぎる「ほん」の処遇であった。茅ヶ崎の自宅での話である。工務店から派遣された大工さんが開口一番、「家が壊れる」と叫んだ。20年前の光景である。つまり、二階の部屋を書斎にしていたために本の重量で補強工事が要求されたのである。その時点でその大工さんが「使わない本を捨てれば大丈夫」とも口走った。十分納得しながらも結局、その「ほん」も殆ど引っ越し荷物でここまで運んで来てしまったわけである。補強作業は完了。
 回路に新鮮な空気が注入された(笑)今、『ブックオフ行き段ボール』の中に入る本が多くなった。選別に悩まない訳ではないが、その苦労も快感となり昨日も物置に閉じこもった。
 「お祖父ちゃんは今夜から物置に寝るの?」と、4歳の孫に問われ苦笑である。「笑い話」になるほどの想定外の進展が今日も展開されそうである。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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