2012/12/18

銀行からの電話

 ~なぜ?何があったんだろう!~

 「お電話をいただいた者ですが」との前置きで最も近い場所のカウンターで業務をしている女性銀行員に声を掛けた。その場にならないと気付かないことがあるのは常識であるが、銀行には「受付窓口」がないことに気が付いた。自分の要件がわかって銀行には行くので、「業務別受付機」のそれぞれの項目のボタンを押して順番を示すナンバーカードを受け取って待機することになっている。最近は、多くが行内の入り口にあるATMで用を済ませているのでカウンターでの対応をして貰ったことが無く、少々面喰った。

 仕方が無いので業務中の行員に声を掛けざるを得なかった。

 とても親切な応対に感謝しながら動きの見える行員の行動を無意識の中で視線は追っていた。動きが止まった先で若い女性が自席を離れてカウンターまで歩み寄り、「角田さん、いらっしゃいますか」との声が掛かった。

 案件は数分で終わった。

 世相を実感した数分間ではあったが、「世の中の乱れ」「倫理観の喪失」「不毛の道徳性」を今更ながら痛感した。自身の口座から自身が引き出して活用する財源にまで銀行に神経を遣わせる世の中になっている。どんな時代なんだ!一方では、個人の『プライバシーの侵害』への過剰な気遣いぶりではないか。強烈な矛盾を感じてしまった。

 先週末に老妻の要求に従って大金を引き下ろした。一回の金額と一日一回との制約を聞き入れて実行した。老妻の要求する金額は一日一回の作業では入手できないので二日間連続して銀行に通った。そして、それを郵便局の口座に移したのである。その行為が「振り込め詐欺」に罹った利用者、として危惧されたようだ。確かに小生は高齢者である(笑)。ご心配いただいて迷惑とは思わない。そこまで気遣いをして貰っていることに感謝もしたい。しかし、・・・・・。

 銀行員はとても丁寧だった。説明も十分に納得した。「当銀行でも被害(詐欺)が発見されていますので、確認をさせていただきたくお電話をいたしまた。ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした」、との言葉で銀行を送り出された。

 銀行という金融機関の責任か?詐欺被害が出たことは取扱銀行の責任範疇にあるのか?では、なぜ銀行は被害が出ることに恐怖感を持っているのか?詐欺行為が成立した場所としての銀行名が出ることを恐れているのだろうか?

 老人の独り言は、帰宅するまで歩きながらぶつぶつと続く。

しかし、追跡調査をされたようで気分は決して良いモノではなかった。複雑な心境で昨日は終日を過ごしてしまった。読者諸兄の中にも同世代の方々も多いようだ。こんな時代になっている事だけでもお伝えしたくてブログ登載とした次第であります(笑)。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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