「お風呂は沸いたのか?」「えっ、もうお風呂に入るの?」
他愛のない老夫婦の昨夜の会話である。事前予告も無い妻にとっては寝耳に水の請求であり対応に窮したようだ。「タッチするだけでお風呂も沸く」時代だから自分で沸かせば良いじゃないの!一世代後輩の読者諸兄には違和感のある夫婦の会話なんだろうなぁ~、と思いつつブログを綴っている。入浴の時間と観戦したいスポーツ番組の兼ね合いで生じる微笑ましい老夫婦の対話である(?)。
この対話が本論ではない。
観戦途中で沸いた風呂に入ってお目当ての選手の演技開始には間に合った。一人のプレーヤーの演技のファンとまでは浸食されてはいないが、このスポーツ業界発展のキーパーソンの一人であることは事実である。
小生の興味は、このスポーツでも「個人の素質と努力」がもたらす結果だけではない。この業界の「企業努力の経緯」に固執してみたいのである。なぜ、ここまでこの業界は成長した?それはいつから始まったのか?今でこそ、ある民放TV局が独占放送をするまでの成長産業にまで成長している。調べてみたこと全てを披露できないが、1906年にこのスポーツの「第一回世界選手権大会」が開催されているようだ。わが国では無縁のスポーツではなかっただろうか。80年も経た1989年(パリ開催)で日本人選手が初めて金メダルを獲得している。その後の活躍はご存知の通り目覚ましく、世界の頂点に上り詰めるほどの大成長である。
華やかな成果や結果の裏には涙なしでは語れないストーリーが山ほどあるだろう。氷山の一角しか見ていない一般観衆が視聴率をも引き上げる。視聴率・命のTV業界を巻き込んだら独壇場となる。異様な体を為す我が国の気質や体質には異論もあるが、それを利用して伸びる業界があっても否定はできまい。
業界の「育てる」体制づくりが、そこに集う選手層に「育つ」土壌を提供する。指導者の育成も同種の土壌があるかどうかは追求していないが関連は在るのかも知れない。スポーツ評論家ではないのでこれ以上の追究はない。
教員人生を歩んできた小生には「学校教育」という大きな業界にも、土壌づくりという「育つ」ための理念に基づく「100年計画」ぐらいは欲しいと切望している。そして「育てる」の理論を実践することに挑む企業努力を期待しているのである。
「育てたように育つ」と言われるならば「育てなければ育たない」とも言える訳である。後輩教員諸兄にはこの理念で「未来ある子どもたち」に向かい合ってほしいと願うばかりである。
伊藤みどりさんが「育った」愛知県と、荒川静香さんを「育てた」宮城県から、男女を問わず有能な後輩スケーターが続々と誕生しているのは、小生の自論(=「育てれば育つ」・「育てなければ学ばない」)という理念が、強ち嘘でも無さそうだと思っていただけるだろうか。
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