意気込んで早朝歩禅の準備を済ませて玄関を開けてガックリ。雨が降っていました。そう言えば、窓の明かりが暗かったなぁ、と反省する始末です。こんな朝もあります。そして、こんな日は「朝の読書」の時間に早変わり(午前5時)します。60分間の散歩時間を読書に切り替えです。何気なく取り上げた月刊誌に釘付けになりました。
小生の死に方の『あこがれ』はピンピンコロリでした。
しかし、東北大学名誉教授(内科医)の吉永馨氏(84歳)の記事を読みながら、早朝の老脳に衝撃が走りました。その一部を紹介します。
・・・・・・・・・(前略)・・・
死を学ぶと生き方が変わってくるということですか。
吉永 死を学んで初めて、生きていることがどんなに貴重でありがたいかがわかるのです。死の実態を学び、人間いつかは死ぬものだと自覚すれば怖くない。大事なこの生を、もっと大切に生きるようになります。自分の生が大切ならば、あなたの生も、あなたの隣の人の生も大切だと。だから命を尊重し合わなければならないというふうに、世の中全体が違って見えてきます。死を学ぶことは、死ぬための備えではなくて、よく生きるための学びなんですよ。
★『ピンピンコロリ』はいい死に方?
『ピンピンコロリ』が理想の死に方」と言う人は多いですが、吉永さんのお考えは違うようですね。
吉永 『ピンピンコロリ』は、いちばん悪い死に方ではないですか。考えてもみてください。今この瞬間までピンピンしていた人が急に死ぬということは、心筋梗塞か脳卒中、あるいは交通事故などです。果たしてこれが、いい死に方だと言えますか?
「いやいや、何も心筋梗塞で死にたいと言っているのじゃない。百まで元気に生きて、ある日コロツと逝きたいのだ」と、皆さんおっしゃる。それならそうと初めから言ってくれないと、「この人は死にたいのだ」と神さまが勘違いして、心筋梗塞をプレゼントしてくださるかもしれないですよ(笑)。
それは冗談ですけれども、急に死なれてしまうと家族も困るし、会社の人も困ります。本人だって、言い残しておきたかったことがあったでしょう。ですから私は、『ピンピンコロリ』はいちばん悪い死に方だと思います。
きんさん、ぎんさんのように、百まで生きてコロリという例は、ないわけではありませんが、極めて少数です。日本には今、百歳を超える方が五万人以上いますが、多くの場合寝たきりで、『ピンピン』ではありません。
「百まで生きて『ピンピンコロリ』は、非常に珍しいことなんですよ。それを目標として健康維持に励むのはいいことですが、容易に叶わぬ夢であることを忘れてはなりません。
それとは逆に、『ピンピンコロリ』と死ねないガンなどは、自分が死んだあとのことに備えておけますね。例えば、財産をどうするかきちんと言い残しておくとか、しかるべき人に仕事を引き継いでおくとか。何よりも、周りの皆さんに「お世話になったね」「さようなら」と告げる余裕があるわけです。
・・・(後略)・・・・月刊誌「ラジオ深夜便 5月号」・・
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