外は、朝から春の名残雨(?)。
間もなく前半のGWがやって来る。「別れ霜」があったり冷たい北風に見舞われたりと季節が中々夏の予感すら運んで来ない。予報より早い雨が降り始めた。気温はさほどの低さでもなく夏が近い感じはする午後となっていた。
昼食を済ませてソファに腰かけて珍しくTV画面に見入っていた。
小さな『離れ』のミニ老人ホーム(自称しては笑う)。狭い居間のベランダを指さしながら老妻が声を抑えて近づいて来た。「すずめがベランダの物干し竿に停まっていますよ」と言うではないか。どうせ、近づけば直ぐに逃げるに決まっている。決め込んだ老夫はビクともしないでTV画面のサスペンス劇場を見詰め続けていた。30分は経っただろうか?再び老妻が近付いてきて、「もう7羽に増えちゃっています・・・」と再度の報告があり、腰を上げた。
手元にあったデジカメを持って近づいた。
光線を遮るだけの白い薄い生地のカーテンの向こうに、確かに数羽のすずめの動きがはっきり見えた。カーテンを開けると鮮明に撮れるだろうが、開ければ飛び去ると、こちらも警戒して暫くダイニングテーブルの椅子に腰を掛けて息を殺して観察となった。
なかなか飛び出しそうにない。
痺れを切らせてカメラを向けてシャッターを押した。フラッシュが閃いた。しかし、楽しそうなすずめ軍団は人間を無視したままである。二度目のシャッターを切った。ホンのちょっとした内部の動きに敏感に気づいたようだ。一斉に飛び去った。見送りながら、「そっとしておけば良かったね」と、まるでデジカメのシャッターを押した老夫が悪者のような対話になってしまったが、カメラに収まったカーテン越しの「すずめの雨宿り」の光景を確認できた時には既に険悪な雰囲気は消滅していた(笑)。
孫が帰宅したので、おやつを食べ終えたところでパソコン画面に映して見せてあげた。すると、「え~、このすずめ達は、お祖父ちゃんお祖母ちゃんに随分、慣れているんだねぇ~」と独り言を呟いた。嬉しくなった。
夏を運んでくれそうな温かい雨の降る長閑な午後の一コマでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿