2013/04/25

雨の日の我が家のベランダの物干し竿に、長閑な「すずめの雨宿り」が。



 外は、朝から春の名残雨(?)。

 間もなく前半のGWがやって来る。「別れ霜」があったり冷たい北風に見舞われたりと季節が中々夏の予感すら運んで来ない。予報より早い雨が降り始めた。気温はさほどの低さでもなく夏が近い感じはする午後となっていた。

 昼食を済ませてソファに腰かけて珍しくTV画面に見入っていた。

 小さな『離れ』のミニ老人ホーム(自称しては笑う)。狭い居間のベランダを指さしながら老妻が声を抑えて近づいて来た。「すずめがベランダの物干し竿に停まっていますよ」と言うではないか。どうせ、近づけば直ぐに逃げるに決まっている。決め込んだ老夫はビクともしないでTV画面のサスペンス劇場を見詰め続けていた。30分は経っただろうか?再び老妻が近付いてきて、「もう7羽に増えちゃっています・・・」と再度の報告があり、腰を上げた。

 手元にあったデジカメを持って近づいた。

 光線を遮るだけの白い薄い生地のカーテンの向こうに、確かに数羽のすずめの動きがはっきり見えた。カーテンを開けると鮮明に撮れるだろうが、開ければ飛び去ると、こちらも警戒して暫くダイニングテーブルの椅子に腰を掛けて息を殺して観察となった。

 なかなか飛び出しそうにない。

 痺れを切らせてカメラを向けてシャッターを押した。フラッシュが閃いた。しかし、楽しそうなすずめ軍団は人間を無視したままである。二度目のシャッターを切った。ホンのちょっとした内部の動きに敏感に気づいたようだ。一斉に飛び去った。見送りながら、「そっとしておけば良かったね」と、まるでデジカメのシャッターを押した老夫が悪者のような対話になってしまったが、カメラに収まったカーテン越しの「すずめの雨宿り」の光景を確認できた時には既に険悪な雰囲気は消滅していた(笑)。

 孫が帰宅したので、おやつを食べ終えたところでパソコン画面に映して見せてあげた。すると、「え~、このすずめ達は、お祖父ちゃんお祖母ちゃんに随分、慣れているんだねぇ~」と独り言を呟いた。嬉しくなった。

 夏を運んでくれそうな温かい雨の降る長閑な午後の一コマでした。

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自己紹介

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1944年熊本県八代市生まれ。1968年から神奈川県内の高校、中学校の英語教員として勤務。1988年より神奈川県茅ヶ崎市で指導主事、教育研究所長、中学校教頭、指導課長、小学校校長、指導担当参事を務める。1996年8月ちがさき教育実践ゼミナール『響の会』(現・教育実践『響の会』))を開設し、教員の自主研修会として活動を主宰。 2001年に新設開校の茅ヶ崎市立緑が浜小学校・初代校長着任。 2004年3月退職後は「教育実践・響の会」会長として全国で講演活動中。『響の会』は茅ヶ崎市・浜松市・広島市・東京都立川市に開設。2006年9月より2011年8月まで、日本公文教育研究会子育て支援センター顧問として全国で指導助言に務める。著書に 『あせらない あわてない あきらめない』(教育出版)、『人は人によりて人になる』(MOKU出版)、『小学校英語活動教本JUNIOR COLUMBUS』(光村図書出版)がある。その他月刊誌等の執筆原稿や共同執筆書も多数あり。近刊は、2012年10月発行予定(『校長先生が困ったとき開く本』教育開発研究所)。

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